照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

渡りをするチョウーアサギマダラ2000キロの旅

ラジオを聞いていたら、「渡りをするチョウ」がいるというアナウンサーの言葉に、エッとなった。海を越えてゆくチョウがいることを初めて知ったのだが、小さな身体のどこにそんなエネルギーがあるのだろうと、ただただ驚いてしまう。ちなみにそのチョウは、アサギマダラという。

羽根に日付とチョウを見つけた場所を書いておくと、どれくらいの距離を飛んだかがわかるそうだ。実際、このマーキングにより、和歌山県から放たれたアサギマダラが、83日後に約2,500 km離れた香港で捕獲されている。また、長野県から台湾まで2000キロを飛んだ例や、逆に、台湾から日本への渡りも確認されているという。

渡りを始める前には、栄養補給をして、脂肪を腹部に溜め込むそうだ。これが飛んでいる間のエネルギーになる。

また、アサギマダラは体内に毒を持っているため、移動中に鳥に狙われることもないそうだ。

ウイキペディアによると、
"幼虫の食草となるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドを含む。アサギマダラはこれらのアルカロイドを取りこむことで毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。"

但し、毒といっても、食べた鳥が嘔吐する程度で、人間が触っても問題はないという。

このように、しっかりと準備万端整えて旅するアサギマダラだが、なぜ集団で遠距離を移動するのか、はっきりしたことはまだ解明されていないそうだ。

それにしても、あの小さなチョウたちが連なって海を超えてゆくなんて、おとぎの国の話みたいではないか。

「さあさあ、今のうちにたっぷり蜜を吸っておかないと、海を越せないよ」と、ふざけてばっかりいるチョウのイタズラ小僧どもは、大人のチョウに叱られているかな。和歌山県から放たれたチョウのうち、香港より遥か手前の高知県で見つかったチョウなどは、脂肪を蓄えきれなかったイタズラっ子たちかもしれない。

そんな夢想はいらないって?ハイ。
つい楽しくなって、お話の世界に迷い込んでしまったが、あの綺麗な羽を見れば、誰だって想像を掻き立てられること間違いなしだ。