照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

2016年ポルトガルの旅 モンサントからカステロ・ブランコへ

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バス車内から

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朝日を受けて走るバス

旅8日目の11/22日は、モンサントからエヴォラへ移動する。朝のバスには、通学の学生さんが次々と乗り込んでくる。このバスは、イダーニャ・ア・ノヴァを経由するが、乗り換えなしでカステロ・ブランコまで直通、2時間弱で到着だ。

バスターミナルの窓口でOさんがポルタレグまでのチケットを購入するのを待ってから、駅前の並木道を真っ直ぐ進み、アラメダ・ダ・リベルダーデまで10分ほど歩く。ここが町の中心地で、市庁舎のある辺りから大きな広場になっており、ベンチも沢山あるし、カフェやレストランも幾つかある。

カフェに入って、ガラオン(グラス入りミルクコーヒー)とフルーツタルトを注文する。店内は、女性たちでいっぱいだ。一人で座っているおばあさんもちらほらいる。

最初、近くの席のおばあさんが飲んでいたグラスを見て、同じ物をと注文すると、そのおばあさんや隣のおばあさんが、何度もガラオンと教えてくれる。皆さん人懐っこく、おしゃべりしたいところだが、あいにく言葉が分からない。自分の不勉強が、とても残念な思いだ。

ところで今回は、前日から俄かに連れになったOさんがいるので、退屈することはない。私より年上の彼女は、ツアーや個人旅で、年数回は海外へ出かけているとのこと。今回一緒に旅する予定だった友人が、直前に怪我されて一人旅になったという。

ポルトに到着後、スペインのバスク地方を回ってきたが、毎日暴風雨で何も見えず、寒くて大変だったとおっしゃる。ある町では、バスのチケット売り場は2時から4時まで休憩で人がおらず、それまで待った挙句、バスはその4時間後までないと言われたそうだ。仕方がないので、カフェやバルを三軒ほどハシゴして時間を潰したそうだ。

また別の所では、見学した後で帰りの乗り合いタクシーを見逃し、こんな暴風雨の中ここにはいられないと、折良く通りかかった車を止め、人生初のヒッチハイクをしたそうだ。

話を伺っているとOさんの場合、昨日のモンサント行きもそうだが、次のマルヴァオン行きにしろ、まったくバスの時間や乗り換えについて事前に調べていないようだ。今回はたまたま、途中まで私と同じ経路なので、同じバスにしてはどうかと提案した。これまで、バスの便が悪い所へはほとんどタクシーを利用していたという。

予算も特に決めてないようで、私が16日間で組んでいる予算よりはるかに大きい額を、同じ期間で既に使っておられる。でも、その持参してきたお金が底をつき、国際キャッシュカードを自宅に置き忘れてきたことに気づき、節約しだしたそうだ。ちなみに、持参の円を両替して旅を続けているという。クレジットカードのキャッシングは利子がかかるので、最小限に抑えたいとのことだ。

実はOさんと出会った時、帰りのモンサントからカステロ・ブランコまでは、早朝のバスに乗らず、タクシーをシェアしてゆっくり出発するのも良いと考えていたのだが、丁度切り詰め始めたとお聞きしてその案は口にしなかった。

結果として、次のバス乗車までの長い時間を、カフェや日当たりの良いベンチ、再びカフェでと、おしゃべりして過ごせたので退屈せずに良かった。

続く