照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

組織が大きくなればなるほど悪い根は蔓延りやすいものだと考えさせられた件

このところ何かとニュースで目にする東芝だが、「東芝水力発電機器のデータ捏造 週刊新潮の報道で発覚」(朝日新聞デジタル1/23日付)の記事http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170123-00000078-asahi-sociに、悪い根は会社全体に蔓延っているのだろうなとの思いは強まった。

記事によると、"昨年11月、品質保証部の社員2人が、機器の溶接部について見えにくい傷を調べる検査をしていないのにも関わらず、したと偽って記録を作成。その後、発注した電力会社が立ち会っての検査で、溶接部の傷を見つけ指摘したため、発覚した"そうだ。

その時期が、昨年11月ということに驚かされる。自分たちの会社が今どのような状況にあるのか、世間からどのように見られているのか、重々承知していてもいいはずだ。

しかしここには、こんなことは、大したことじゃないという意識が窺える。度重なる諸々で、士気が低下していたのかもしれないが、それよりもむしろ、仕事への取り組みが、日常的にこんな感じだったのではないかとも推測される。

検査項目にあるのなら、それは些細なことではないと思う。"見えにくいところにある傷"が、全体にどのような影響を及ぼすのか、自分には見当がつかなかったとしても、判断するのは、製造する側ではなく、発注側なのだから、勝手に見過ごしても良しとしたのはまずい。こういう小さく思える部分こそ、きちんとやっておくべきだったのではと残念だ。

結局、信用ってこのようなことの積み重ねだと思う。これもまったくの推測だが、そこにはこんなことなぜやる必要があるわけ、面倒くさいなとの思いが日頃からあったように感じられる。それは、使う立場への想像力が欠如しているからだと思う。

これはどんな仕事にでも当てはまることだが、結局、相手の側に立って考えることができるかどうかがポイントと考えさせられた件だ。自分からみて些細なことだから、手抜きしてもいいとはならない。そして、どんな業種でも、とりわけ最終的に検査を担当する人に肝に銘じておいてほしいと思う。