照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

目立たないようにではなく、逆に目立つように擬態するカバシタアゲハ

昨日朝のラジオ番組で、昆虫写真家の海野和男さんが、擬態する蝶について話されていた。昆虫の多くは、擬態によって自分を目立たなくするのだが、逆に目立つように擬態するものもいるそうだ。例えば、アサギマダラそっくりに擬態するカバシタアゲハだ。

羽がきれいで目立つアサギマダラは、渡りをする蝶として知られているが、毒を持っているため、鳥には食べられないという。カバシタアゲハは毒を持っていないが、鳥たちからアサギマダラと勘違いされれば、襲われずにすむ。姿ばかりか飛び方もゆっくりとしていて、似せ方は徹底しているそうだ。

しかし、アサギマダラはマダラ蝶の仲間で、カバシタアゲハはアゲハ蝶の仲間と種類は異なる。カバシタアゲハの方が触覚が太く足は6本だが、アサギマダラは、前足2本が退化しているため足は4本だという。

また、胸の白い模様は、カバシタアゲハの方が多いそうだ。チョウは、相手を見分けるために目を使うので目が発達している。そのため、とりわけよく見てそっくりに真似た結果、本物より多くなったという。

この、いきものいろいろのコーナーは、NHK第1で毎週日曜日の朝5時半すぎからの放送だが、いつも楽しみだ。ここで昆虫について得た知識を元に、実際に観察したら、さまざまないきものにもっともっと関心が湧きそうだ。それにしても、子どもの頃は、なぜ興味のカケラさえもなかったのだろうと、まったく残念に思う。