怒りを感じた時はスクワットで場面転換を
昨日のラジオ(NHKFM)で、脳科学者の加藤俊徳さんが脳に関するさまざまな話をされていた。その中でも特に、怒りについての諸々が興味深かった。人が怒るのは、脳がどう対処していいか分からなくなった時だという。
だから、例えば子どもが怒り出したりした時など、親もついつられて大きな声になりがちだが、それはまったくの逆効果でしかない。そんな時はむしろ、場の状況を変えるように、静かに小さな声で話すといいそうだ。すると子どもの気分も変わって、落ち着いたりするという。もし、自分の中から怒りが湧いてきた時などは、ちょっとスクワットなどしてみると怒りが静まるという。
怒りを持続させたままにしてしまうと、カッカした状態から冷めるまで1時間ほどかかるらしい。脳への血流は高まるが、脳の活性化にはならないという。だからあえて場面を変えて、脳の気をそらすようにした方がいいそうだ。
また、怒るのは脳が疲れている証拠でもあるので、そんな時は、寝て脳を休ませるというのも良いらしい。確かに、人は疲れたり、空腹だったりすると怒りっぽくなる。子どもなどは特にそうだ。それはきっと、脳からの栄養補給と休息の要求なのだろう。もしくは、自分の脳の容量を超えて酷使し過ぎた結果、逆に栄養不足及び疲れを招くというこもあるかもしれない。
大人が怒るのは、自分に理解できない時というのも、納得する。どのように説明されても、相手の言うことがちっとも頭に入ってこないと、イライラして怒りたくなる。おまけに、自分の理解不足とは認めたくないほど、生きてきた年数だけ変なプライドもついている。
ともかく、怒りに振り回されないためには、どんな場面でも、一度その状況から離れるというのが大事だ。場所を変えるのが可能なら、少し歩き回るのもいい。不可能なら、その場でできる運動をして、一呼吸おくという手もある。
心の底から怒らなければならない事って、そうそう多くはない。むしろ、怒りのエネルギーはそういう時にこそ取っておいて、平素は怒らずに過ごした方が、精神衛生上も良いと思う。
〈何言ってるんだ、怒りなんて瞬間に湧き上がるものなんだよ。咄嗟に冷静になれるか!〉と、今まさに怒りを感じた方は、どうぞ深呼吸を。プラス口角を上げてみる。または、振り上げたこぶしをそのままに、ラジオ体操に入るというのもいい。落ち着くこと間違いなしだ。