照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

楽しみ事は腹八分目くらいがちょうど良いのかもしれない

やや長めの旅がしてみたい、もしくはずっと旅人生活なんていうのも良いかなと憧れがあった。だが、僅か3週間足らずではあるが、実際にやってみると、私には、旅に生きるというのは到底無理だとはっきり分かった。半年か一年どこか外国の街に滞在、あるいは数年かけて世界を巡るなど、私には向かない。これまでのような、ちょこちょこ旅が一番あっているようだ。

今回は、奈良だけに滞在したのであったが、予約が遅かったため、土日ごとにホテルを移動しなければならないという事情もあってか、身体が案外疲れた。そしていよいよ帰る段になると、思いの外嬉しくなった。アレレ、旅先では心が寛ぐと喜んでいたのにと自分にツッコミを入れるも、やはり、帰る場所があるって良いなと思う。

旅は、計画を立てている間のワクワク感が最高で、実行の段階では、少し冷めはじめている。だからいつだって空港へ降り立った途端、私はどうしてここにいるのだろうと思ってしまう。

だがそんな思いも、ひとたび街に踏み入れば来て良かったに変わるのだが。しかしそれも、旅の疲れが出てくると共に、そろそろ帰っても良いかなになる。実は、昨年11月にポルトガルへ行った折も、リスボンで時間をやや持て余し気味で、あと2日短くても良かったと思えた。

旅に限らず楽しみ事は、多少の心残りがある腹八分目くらいがちょうど良いのかもしれない。そして、もう少し・・・という思いが次へと繋がるのだろう。できたら良いなと、夢見てあれこれ思いを膨らませているうちが、一番楽しいのかなとも思えてくる。

外国どころか日本だって、行ったことのない場所がほとんどだというのに、この頃は、以前ほど旅に気が乗らなくなってきている。これまで自分は、いったい旅に何を求めていたのか、本当に行きたかったのか、改めて自分の旅を考えてみたくなった。

だがこれは、単に億劫になっただけかもしれない。となるとそれはそれでちょっと困る。脳が、面倒なことを避け始めるのは、かなりまずい。どうしたもんだか?考えどころだ。