照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

閑静なお屋敷街は散歩するには良いけれど住みたいかとなるとちょっと考える

志賀直哉旧宅は、奈良・春日大社近くの閑静な場所にあった。昭和の初めに住んでいたというから、既に100年ほど前になるが、この辺りに漂うゆったりとした雰囲気は、当時もそうであったろうなと感じさせる。

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志賀直哉旧宅前

住む周辺の感じって、案外気分に影響する。自分が暮らすスペースが狭くても、時々このような場所を散歩していれば、心もふっくらとしてくるに違いない。

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道路先の右側が志賀直哉旧宅

でも、広い敷地に建つ瀟洒な家は、眺める分には素敵だが、維持するのも大変だろうなと思う。おまけに、豪邸が立ち並ぶ辺りというのは、たいがいは駅から離れている。

私などがそのような場所に住まうなど、どうひっくり返ってもできないことで、もちろん最初から望まない。蛇足ながら、イソップ童話の、「あの葡萄は酸っぱいに違いない」と諦める狐の心理からでは決してない。散歩しながら、時々目の保養させて頂くだけで十分だ。

年齢が増すごとに体力も衰えてゆくことを思えば、やはり自分が住む場所は、駅近くで、買い物に便利な所がいい。できれば散歩コースに、このような素敵なお宅などがあると尚良い。ついでに言うと、部屋は、自分に必要なほどほどのスペースがあればいい。狭くても、物が無ければ広々と感じる。掃除も楽だ。

そんなことを考えつつ奈良公園の方へ戻ると、池のほとりで、結婚衣裳をつけたカップルが2組ほど写真撮影をしていた。さらにうらうら行くと、せんべいをねだらず、梅の木の下で日向ぼっこする鹿を見てホッとする。神様のお使いである鹿には、観光客の後など追わず、ゆったりと構えていて頂きたい。

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梅の木の下でのんびり日向ぼっこする鹿

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興福寺五重塔

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興福寺 三重塔