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照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

「最後の晩餐に何を食べるか」ー私だったら塩むすびが良いな

「最後の晩餐に何を食べるか」、だいぶ前、新聞か雑誌で、著名な人にインタビューした記事を読んだことがあった。もし自分なら何にするか、当時はいろいろ浮かんできて、とても絞りきれないなと思った。でも今なら、塩むすびが良いと断言できる。

先月、奈良に滞在した折、食べ過ぎに疲れが重なって2度ほど胃の不調を招いた。夜中に、自分で至室と呼ばれるツボを押しながら、その日食べた物を思い起こし、何で食べちゃったんだろうと激しく後悔していた。

奈良では、ホテル暮らしのため外食だったのだが、一人前の量が私には多すぎる。食べて美味しいと、もう一口という欲に、残したら悪いなとの思いも重なって、つい無理してでも胃におさめてしまう。その挙句、数時間後にそのツケが回ってくる。

旅先では腹八分目が鉄則なのにと、嘆いてみても後の祭りだ。仕方がないので、翌日からの参考にと、自分の胃に優しい食べ物は何かを考え始める。あれこれ浮かべても、なかなかピタッとくるものがない。(世の中にこれほど食べ物が溢れているというのにまったく)と、とりわけスイーツなどは呪いたい気分にもなった。そんな中でふと、かつてコンビニで買った塩むすびが浮かんだ。

これだこれだ。私が人生最後に食べるとしたら、絶対塩むすびだと思った。「晩餐」というには、かなり見劣り感が強いが、小ぶりの塩むすびをじっくり噛んで飲み込むところを想像すると、至福という言葉が浮かぶ。身体のすみずみまで、しっかりと滋養が行き渡るイメージが湧く。最後だからこそ、このように生命を感じさせる物が良い。

お米にも塩にも、手作りか否かにもこだわりはなく、目の前に用意された塩むすびを、美味しいと思いながら噛み締めることができら最高で、私にとっての最後の晩餐に相応しいと思った次第。