照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ワシこれでもライオンなんですわ〜エヴォラ美術館(ポルトガル)で

エヴォラでは特に観光予定もなかったのだが、思いついてエヴォラ美術館へ行ってみた。宗教絵画などよりは、ローマ時代の遺物を含む古い時代の彫刻などの方が見ていて楽しい。それも、作品価値が高そうな立派な物よりは、ユーモラスな物に目がいく。

 

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 ワシ こう見えてもライオンですわ

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やっぱり ライオンには見えませんかな?

 

これなどはライオンなのだが、プレートを読むまでそうとは気づかなかった。百獣の王と尊称されているにしては、どこからどうみても王者の風格はおろか、威厳などちっとも感じられないではないか。誇り高きライオンには失礼ながら、むしろ、トドみたいだ。(そんなこと言われたってワシ泳げないんだが)と、ボソッと抗議してくるかな。

 

それにしても、これを作った人は、ライオンに対してどのようなイメージを持っていたのだろうと、そちらもかなり気になる。現代なら親しみやすい像(絵)に出合うことも多いけど、相当古い時代には、愛されキャラという観点から制作するなんて意識すらなかったと思う。いつの時代の物かを、メモしなかったのが悔やまれる。

 

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こちらもユニークだ。(何だか知らないけど、ひとりでに手足が動きだしちゃうんですけど)といった感じに皆が踊っている?それともバンザイ?している。

 

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 左 イノシシ 右 馬 

この近くには、リアルなイノシシと馬がある。(俺たちはちゃんとしているからね。他と一緒にしないでくれよ。なんて言ったって、正統派だもんね!)と言わんばかりだ。

 

ずいぶん技量が違うんじゃないかいと可笑しくなるが、実際、バンザイ人形は何の目的で作られたのだろう。製作(それとも発掘)年代なども撮っておくんだったと今更ながら思う。

 

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このいちばん左の人形?は、その姿及び衣装から仏像のようにも見える。もちろん、そんなことないけどね。しかし、どのような所に飾られたのか、これも気になる。

 

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猫?ですよ  多分

 

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さまざまな動物

 

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紋章だけあってこれはちゃんとライオンに見える

 

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 こちらのワシ?もそれらしく見える

 

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人物の顔がちょっと愉快 (受胎告知)

 

 上二つは、装飾に、アラブ人が支配していた時代の雰囲気が窺われる。(但し、こちらも単に私の推測で制作年代は未確認)

 

ところでこの受胎告知、両手を上げて、「アッレ、まぁ!」とびっくりしている感じが、どこかで見た気がすると思っていたのだが、バルセロナのカテドラル内のこの絵とよく似ている。

 

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バルセロナ カテドラル内(5/4撮影)

 

イベリア半島一帯で、このような描き方が主流だった時代があったのだろうか。これらもまた、プレートで年代や(わかれば)製作者をメモしてこなかったのが悔やまれる。このバルセロナの絵にも、多少アラブ風が感じられる。これは、もっときちんと調べたらずいぶん面白そうだと興味が湧く。

 

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生活用品は世界中どの地域でも同じ

 

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翡翠

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翡翠のネックレス

 

これらは、(多分)世界中どの地域でも同じような物が出土している。所詮、人間の考えることは、似たり寄ったりってことかな。

 

ところで、こんな愉快な作品たちにお目にかかれるとは、正直期待していなかった。 美術館では、このように興味があるものだけ見て回るのも楽しい。もし、まったくの期待外れだったとしても、入館料は3ユーロだから、サッサと回って出てきても惜しくはない。機会があれば、ライオンに会いに行かれるのも一興だ。