照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

曼珠沙華を見逃したかと焦ったけれど〜いつもの場所でいつものように咲いた花

この1週間ばかり、どこを歩いていても曼珠沙華が目を惹く。スッと伸びた茎の先に、大きく紅い花が鮮やかだ。アラッ?こんなところにもと、思いがけない場所から顔をのぞかせている花に目を留め、早速自分の曼珠沙華地図に加えておく。といっても、記憶の中だけのことだから、来年もまた、「アラッ?」とやっているかもしれない。何れにせよ、歩く楽しみが増える。

 

今年は、曼珠沙華を見逃したのかもしれないと、実はちょっと気になっていたのだ。というのも、ちょうど2週間前(9/1)、日中の涼しさに誘われてあちこち散歩していたら、世田谷城址公園では、既に曼珠沙華が咲いていた。しかも、咲き始めたばかりなのかと思いきや、ほぼ終わりに近かった。蕾など全く無く、これが今年の見納めですよという感じであった。

 

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世田谷城址公園(9/1撮影)

 

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 (9/1撮影)

 

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 草むらにポツンポツンと見える曼珠沙華(9/1撮影)

 

今年は8月から咲いてしまったのか。それにしては、私の近所で曼珠沙華の気配などどこにもなかったのにと、自分がまるで気づかなかったことにガッカリしてしまった。これで終わりってまさか、と信じがたい思いもあって、翌日の朝(9/2)早くから小雨の中を、思い出す限りの場所をあちこち探して歩いた。

 

でも、例年なら、見事な姿を見せてくれるはずの線路ぎわをはじめとして、どこにもその影すら見当たらなかった。その少し前、線路内の伸びた草を刈る作業をしていたから、その時一斉に除去されてしまったのかな。それとも今年の8月は夏らしくなかったから、その影響なのかな。と、あれこれ考え、まったく残念だが仕方がない、来年までお預けだと諦めた。

 

すると何とその数日後、今度は金木犀の香りまで漂ってくるではないか。最初は気のせいかと思ったが、別の所でも香りに気づき、やはり、今年は季節が先取りしているのだろう、これじゃ曼珠沙華に気づかなかったのも無理ないかと思っていた。

 

ところが先週末頃、線路ぎわで刈られたとばかり思っていた曼珠沙華が、何本もその茎をまっすぐ天に向けているではないか。いやあ、これは楽しみと、毎日様子を見ていたら、クリーム色が先ず咲いて、次に紅い花が開いた。

 

ちょうど今が真っ盛りで、まるでガラスの器に活けられているかのように、一列に並んで見事な姿を披露してくれている。そこからやや離れた線路ぎわにも、紅だけの一群があって、それも綺麗だ。 但し、線路内ということもあって近くまでは行けないため、写真には撮れない。自分の目に、しっかり焼き付けておくよりない。

 

ところで、2週間前にセッセと探し歩いても見つからなかったのは当たり前と、今を盛りと競うように咲く花々を見ながら納得。今年も、いつもの場所でいつものように、つまり順当に曼珠沙華を見ることができて良かった。それとも、早咲き?(なんてあるのかどうか解らないが)の花を見て焦った私が、単に粗忽者だったということか。