Cafe 皇宮の森〜手作りトコロテンと都農(つの)町のトマトにとりわけ感激
三色の曼珠沙華
カフェ皇宮の森(宮崎市)でのランチ、玄関のドアを開けたら、お出迎えしてくれたのは三色の曼珠沙華たちだ。宮崎を訪ねたのは曼珠沙華真っ盛りのお彼岸の頃であったが、こちらでは、赤に混じってクリーム色(あるいは白)の花が目についた。個人のお宅の庭では、クリーム一色というのも案外多かった。
紅花のドライフラワー
横に目をやれば紅花のドライフラワーも置いてあって、(私たちだってかつては艶やかだったのよ)と、訴えかけられているようで、枯れた、もしくは老いたとはいえその存在も侮れない。食料油(サフラワー油)としてはもちろんだが、口紅の材料にもなる優れものだ。ちなみに、私は、紅花食品の一番搾りのサフラワー油を使っている。
季節の物を小鉢に
席について、さっそく自家製のあれこれが、ちょこちょこと思いきや結構たっぷり盛られた小鉢に箸を伸ばす。右下(端)のトコロテンの上に添えられた柚子胡椒は、当然だが自家製で、とっても香り高い。お聞きすれば、何とトコロテンも、海から天草を採ってきての手作りと本格的だ。これだけで、小鉢いっぱい頂きたいほど美味しい。決してオーバーではなく、こんなトコロテン初めてだ。
ヒジキもまた、「春先に、生まれ在所の佐伯の海まで行って採ってきたのを、保存しておいて一年中使う」とのことだ。今回のパスタは、手作りカラスミであったが、時期によっては、海に潜って取ってきた牡蠣パスタになるという。
手製カラスミと都農トマトのパスタ
ところで、このパスタソースのトマトが物凄く美味しく、「何このトマト?」って、思わず口をついて出た。都農(つの)のトマトということで、その名は私も耳にしていたが、食べるのは初めてだ。本当に美味しい。実は今回、友人が私を都農町に案内してくれる予定だったという。ただ、私の方が西都へ行きたいとお願いしたので、そちらはまたの機会ということになった。ここには、ワイナリーもあるということでそれもまた楽しみだ。
天ぷらと豆腐ハンバーグ
天ぷらは、裏の畑でひとりでに大きくなったカボチャと、通りがかりの畑でサツマイモを収穫中の方に分けて頂いたものだそうだ。ご飯に入っているギンナンは今年の初物とのことで、これまた大ザルの上の栗と一緒に前日に採ってきたという。銀杏と栗のご飯には、アクセントに柚子の皮が混ぜ込まれているのでいい香り。
銀杏と栗のご飯
栗
時期に応じた自然の恵みを満喫させてくれようと、何から何まで、あちこちに足を伸ばして集めてくれるなんて、まさにこれがご馳走だと感激しつつ胃に収める。
今回は量少なめでとお願いしたものの、いつもながらたっぷり用意してくださっていた。平素と違って、たまには胃をびっくりさせてもいいかと、ついこちらも奮闘してしまった。その結果、翌日の朝まで満腹であったが、全然胃もたれしないので助かった。
ところで、このカフェのオーナー大賀さんは、酵素やミリンに松葉エキス、切り干し大根に柚餅子からジャムなどなどと、季節折々何でも手作りされている。また、食品だけでなく、着物から転用したサロペットに作務衣まで作ってしまうというからびっくりだ。
畳の上にテーブルがいくつか、普通の民家を改装したレストランは、しっとりと落ち着いていて心和む。親戚の家にお呼ばれしたようなリラックスした雰囲気の中で、友人や大賀さんとおしゃべりしながらの食事はとても楽しく、我知らず口もよく動く。一人もいいけど、人と一緒もいいなと感じるひとときだ。宮崎へ行ったら一度はどうぞ!
Cafe 皇宮の森(こうぐうのもり)
(*お店は皇宮神社の裏手で駐車スペースも有り)
住所:宮崎県宮崎市下北方町5884
TEL:0985-20-8074
完全予約制
*私たちが伺った折に頂いたのは1500円