照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

都知事の“鉄の天井”発言に違和感〜ただ本人のメッキが剥がれただけではないのか

小池都知事が滞在中のパリで、前駐日大使のキャロライン・ケネディ氏と対談した折に発したという言葉“鉄の天井”に、〈何勘違いしてるの、ただメッキが剥がれただけでしょう〉と心底呆れてしまった。

 

10/23付のYahoo!ニュースによると、

“「都知事に当選してガラスの天井を一つ破ったかな、もう一つ、都議選もパーフェクトな戦いをしてガラスの天井を破ったかなと思ったが、今回の総選挙で鉄の天井があると改めて知りました」と惨敗を振り返った。”

だそうだ。

 

確かに、小池さんが都知事候補に名乗りを上げた当初は、ガラスの天井を破らせてなるものか的な雰囲気が、様々な立場の男性を中心にかなり濃厚に漂っていたように思う。だが、巨額な利権がらみの魑魅魍魎が蠢いているごとき場所へ敢えて乗り込み、闇を照らし出してみせるという勇ましさに、都民はこぞってエールを送ったのだ。それが、本人言うところの”都知事に当選してガラスの天井を一つ破ったかな“だ。

 

だいたい、その前の男性知事二人が、何とも情け無い理由で辞任していたので、表面的にはいかにもクリーンに見える彼女が、ゴーストバスターとしてうってつけに見えたということもある。実は私も、投票所へ向かうまでは、都政の舵取りをこの人に託そうと考えていた一人だった。ガラスの天井を守ることに固執する者たちへの反発もあった。しかし、いざ投票用紙に記入する段になって、彼女について引っかかっていたある一点が頭をもたげ、結局、別の候補者の名を書いた。

 

最終的に支持はしなかったものの、ある程度の期待を寄せて、都知事になってからの動向には注目していた。でも、徐々にアレッ?ということが増えていき、今年の夏の都議選では、彼女が率いる党の候補者には、ほとんど心動かされなかった。だが結果は、本人曰く、”都議選もパーフェクトな戦いをしてガラスの天井を破ったかなと思った“である。

 

多分、都議会にキレイな風を通してもらいたいという都民の思いが、弱いながらも持続していたのだと思うが、それを本人は、自分の魅力もしくは魔力のおかげと信じ込んでしまったのだ。

 

そしてついに、民進党のゴタゴタに国民がウンザリしていたところに的を絞ったかのように、希望の党を立ち上げた。世間的には、まったく良いタイミングであったかもしれない。しかし、私の中では、彼女に対する信頼できない思いがますます広がるばかりで、もはや希望の党には期待など露ほども持てなかった。きっと、同じことを考えている人も多かったに違いない。今回の選挙戦の結果は、それを示していると思う。

 

だが本人はそれを、“鉄の天井があると改めて知りました”というのだから、自分というものを少しも解ってない。こちらこそ、“やっぱり危惧していた通りの人だったと改めて知りました”の気分だ。重ねて言うが、“鉄の天井”云々以前の問題で、ただ単にメッキが剥がれたに過ぎない。それをすり替えたりしてもらいたくないと、つくづく思う。

 

そして、昨年からすれば今や私の期待度は天と地ほどになってしまっているが、それでも現職の知事である以上、これを機に勘違いは改めて、都政に身を入れてもらいたいと切に望む。