照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

絵画

心落ち着く休日の午後ールドンとセザンヌに囲まれて

オディロン・ルドンポール・セザンヌ私は、ポール・セザンヌとオディロン・ルドンの絵を部屋に飾っている。といっても、どちらもカレンダーから切りとったものだ。それは以前、年末に貰い手もなく残っていたのをたまたま見つけ、会社からもらってきた。部屋…

神話への扉?ルドンの空

ベランダに出ると、朝焼けの空。昨年、9月初旬に撮った写真だ。私はこの色をルドンの空と名付けている。まるで神話の世界への扉にも思えて、今にもペガサスが、その姿を現してくれるような気がする。先日、ある方のブログに同じような空の写真を見つけ、同好…

まなざしに魅かれて ヘレン・シャルフベック展へ

芸大美術館横の大きな看板一昨日、根岸の子規庵から上野の芸大美術館へ回り、ヘレン・シャルフベック展を見てきた。初めて耳にする名だが、いつも利用する駅に貼られたポスターの絵と、本人の写真に興味を覚えた。それに、フィンランドの画家というのも、何…

シーギリア レディ イン スリランカ

侍女が持つ盆には、花それとも果物?スリランカの旅から帰ったばかりの次男から、シーギリアレディと呼ばれる壁画の写真を見せて貰った。その途端、インドのアジャンンター壁画を思い出した。和辻哲郎著『古寺巡礼』でその存在を知って以来気になっていたが…

闇に浮かぶ光 描き方のヒントは教会から?

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中に入ると、美しい天井に目を惹かれる。ステンドグラスと壁のフレスコ画が荘厳な雰囲気を醸し出している。灯のようにも見えるステンドグラス。入口から入って順に回っているうちに、敬虔な気持ちになってくる。教会は、本…

ひっそりとした雰囲気に惹かれて ポデスタ礼拝堂

バルジェッロ国立博物館は、13世紀に、行政長官(ポデスタ)の館とし建てられた。その後、司法長官(バルジェッロ)の役所兼邸宅となり、呼び名はそのまま現在まで引き継がれている。これは2階奥にある礼拝堂入口だ。天井や壁に描かれた絵やステンドグラスが、祈…

イサクの犠牲 どちらを選ぶ?

ロレンツォ・ギベルティ作フィリッポ・ブルネッレスキ作フィレンツェにあるドゥオーモ付属・サン・ジョバンニ洗礼堂の北側の扉の制作は、コンクールで勝ったギベルティに任された。上の写真は、1401年の浮き彫りのコンクールで最終審査に残ったもので、バル…

ダヴィデ像2点 ドナッテロ作

ブロンズのダヴィデ像大理石のダヴィデ像フィレンツェ・バルジェッロ国立博物館には、ドナッテロ作のダヴィデ像がある。同じくフィレンツェ・アカデミア美術館にある、ミケランジェロ作の巨大なダヴィデ像とは、全く雰囲気が異なる。どちらもゴリアテの首を…

教会の天井画 フィレンツェ サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、天井に描かれた絵3点教会の壁や天井に描かれたフレスコ画は、優しい色合いだ。物語を知っていたならもっといいのにと思う。だがそのためには、1日に一つの教会だけを訪れるにとどめなければ、とても丁寧には眺めきれない…

受胎告知 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会にて

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の受胎告知2点、ルネッサンスが花開いたフィレンツェだけあって、どこも教会には、素晴らしい絵がある。壁に描かれたフレスコ画を見て回っていると、私の目に入ってくるのはやはり受胎告知だ。前に、サンタ・クローチェ教会…

絵は解らなくても心で感じさえすれば

この幼子の楽しげに輝く笑顔、それに答えるマリア様の表情も優しい。彫刻にはほとんど関心がなかったのに、4年前、ここバルジェッロ国立博物館を訪れて以来少し興味が湧いてきた。今回フィレンツェで再訪したのも、ここだけだ。ドナッテロの作品を見たくても…

絵の見方は好きずき 自分なりの物語を

サンタ・クローチェ教会にある『受胎告知』を、3点写真に収めたが、マリア様と大天使ガブリエルの描き方がそれぞれに異なっていて興味深い。大天使ガブリエルの真摯な眼差しに対し、このマリア様の表情は、ずいぶん世俗的な感じがする。年下の若者が、憧れ…

ローマ カラヴァッジョを訪ねて

ボルゲーゼ公園内の池ボルゲーゼ美術館にはカラヴァッジョの作品が、6点ほど展示されていた。日本に貸し出されてきた折に見た作品も、何点か含まれている。私の目的はカラヴァッジョの作品なので、これらの前で時間の大部分を過ごした。ボルゲーゼ美術館は、…

名古屋での読書会2月 その2 〜オディロン・ルドンの絵を訪ねて岐阜県立美術館へ

読書会の前に、岐阜県立美術館へ行くことにした。この美術館にはオディロン・ルドンの絵がたくさんあるので、一度行ってみたいと思っていたが、今回は丁度良い機会であった。名古屋から東海道線に乗り換え、西岐阜まで快速利用で約25分と近い。岐阜の隣駅に…

奄美のたんかんに田中一村を想う

奄美大島産のたんかんを頂いた。勤務先の事務所があるビルの同じフロアの会社の方が、社長の出身地から送られてきたというたんかんをお裾分けしてくださった。初めて食べたが、甘く果汁たっぷりの味は、オレンジに近い。事務所の前を通るたび、田中一村の複…

感動の『最後の晩餐』 ミラノにて

ミラノ ドゥオーモ ドゥオーモ内部 ステンドグラス 2014年4月はミラノに行った。須賀敦子さんの『ミラノ霧の風景』を読んで以来、いつかは訪ねたいと思っていたがこれという目的はなかった。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会付属のドメニコ派旧修道院…

ベルゲン街歩き〜ムンクのこんな叫びバージョンもあるよ〜ノルウェー

珍しいムンクの『叫び』ベルゲン美術館にて ガスっているフロイエン山と中腹に建ち並ぶ家々 ベルゲン美術館前の公園から フロイエン山からフィヨルドを見下ろす 朝の雨も小雨に変わり、それも降ったり止んだりであったが、昼前には完全に止んだ。少し街歩き…

ムンクについて〜こんな生命力溢れる絵もあったんだと驚く

橋の上に佇んで海を眺める人々、そのモチーフが繰り返し現れるムンクの作品に、静謐と祈りという言葉が浮かんできた。人が根源的に抱いている畏れ、その畏れを鎮めるための祈りが、絵を通して伝わってくる。そして、これまで自分は、『叫び』から受けるイメ…

オスロシティホールで〜窓から見たこの静けさに感激して以来写真小僧状態だ

ボートから降りると目の前にあるシティホールへ向かった。ここではノーベル平和賞授与が行われる。晩餐会の間や壁画など見て回る。 窓辺から眺めるオスロの海は、静けさそのものであった。ゆったりとした時間が流れている。この穏やかな海を目にした時、写真…

チューリッヒにて〜お得なスイスパスは嬉しいサービス

ヴィンタートゥールから、電車で30分弱でチューリッヒ中央駅に着く。駅前のホテルを予約していたはずが、駅のどちら側にも見当たらない。とりあえず歩き始めた。 つい1週間前はチューリッヒ湖も凍る程の寒さだったようだが、今日は最高気温が10度と予想され…

ヴィンタートゥール〜小粒ながらピリッとした個人コレクションVilla Flora

賑わいのあるメインの通りを歩いていると、どこの店も美味しそうに思えてくる。カフェに入って、ビールと料理名がわからない一皿を注文する。混雑している店内で、テーブルに載っている率が高い物を選んでみただけで、私にさしたる基準はない。味は良かった…

ヴィンタートゥール美術館巡り 〜オスカー・ラインハルトコレクション

駅のツーリストインフォメーションでミュージアムパスを購入し、ついでに市内地図も貰う。外にでて美術館バス乗り場を探すが良く解らないので、路線バスの列で待つことにする。しばらく待っていると、前方に停まったバンに乗り込む人の姿が見えた。もしやと…

美術館の街ヴィンタートゥールへ〜スイス

ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展に行ってみた。あちこちでポスターを目にしていたが、さほど興味を惹かれずにいた。たまたま同僚から券を頂いたので行ってみると、予想以上の素晴らしさに、ヴィンタートゥールという名前が心に刻まれた。2012年の2…

公園のベンチに座っていろいろと思いに耽る〜パリにて  その2

パリでは、ルーブル美術館側の、その名もホテル・ド・ルーブルに滞在した。美術館に籠るぐらいの意気込みで来たのに、絵を見る気力は失せていた。街全体が大きな美術館のようなフィレンツェに、魂はすっかり奪われていた。 結局パリでは、あちこち歩き回るだ…

空港から市内行きのバス車内で出会った日本の方たち〜パリにて その1

フィレンツェからパリまではあっという間であった。窓際に席を取り、上空からの景色を飽くことなく眺めていた。地形がくっきりと見える。車が走っている。可愛いらしい家々が並んでいる。やがて平地から高さがでてくると、川の流れも遠のいてゆく。雪を抱く…

名残惜しいままにフィレンツェからパリへ

サンタ・マリア・デル・カルミネ教会のブランカッチ礼拝堂へ、マザッチョのフレスコ画を見ようと出かけたら休みであった。火曜日が休みとは迂闊であった。昨日時間があったのにと、悔やまれるが仕方がない。 旅先で買い物するのは稀だ。サンタ・マリア・ノッ…

ドゥオーモからサン・マルコ寺院へ〜フィレンツェ

ドゥオーモのクーポラへ登ろうと、朝一番に出かける。列に並んでいる間に読もうと、和辻哲郎著『イタリア古寺巡礼』をバッグに入れた。いざ取り出すと『風土』であった。自分の粗忽ぶりが嫌になる。そこへ丁度、日本人カップルがやってきて私の後ろについた…

パラティーナ美術館と国立バルジェッロ博物館はフィレンツェでのおすすめ

パラティーナ美術館へは朝一番に訪れた。ピッティ宮の2階にあるこの美術館はとにかく広い。予期していなかったが、ここにはアルテミジア・ジェンティレスキの作品があった。それにカラバァッジョの作品もある。私にはこれだけでも充分すぎる程であったが、数…

アカデミア美術館から街歩きへ〜フィレンツェ

ウフィツィ美術館で入場時間が早まった事に気を良くし、4時予約のアカデミア美術館へも、昼過ぎに行ってみた。するとすぐ入場できる券をくれたので嬉しくなる。入場券購入待ちの列を横目に中に入る。ミケランジェロ・ブオナローティ作『ダビデ像』の前はさす…

ウフィツィ美術館にて〜フィレンツェ

日本から予約したウフィツィ美術館への入館時間は昼過ぎであったが、入場券引き換えを先に済ましておこうと朝一番で出かけた。すると嬉しいことに、8時30分の券を渡してくれた。自分の予約時間より早いので、間違えてないかと確認をしたところ大丈夫と言う。…