ミラノで出会った素敵なお二人〜幅広い趣味に洗練された着こなし
ドゥオーモ屋上
朝1番にブレア絵画館へ行く。ここも名作を取り揃えている美術館だ。私の目当ては、カラヴァッジョの『エマオの晩餐』である。この作品も素晴らしかった。同テーマの絵がロンドンの美術館にあるが、私はこちらの方が好みだ。
絵画館を出るとスカラ座からドゥオーモ辺りまで歩き、一旦ホテルに戻る。チェックアウトしてからクラウンプラザホテルへ移動する。そこから再び街歩きしようと、ナヴィリオ・グランデ運河へ向かった。人の賑わいは有るものの、川沿を歩くのはのんびりした雰囲気だ。たっぷり歩いた後は、再び地下鉄に乗ってミラノ中央駅まで戻る。
お昼は、駅から程近いレストランを訪れた。オープンしたてなのか客はまばらであったが、1人の私には都合よかった。テラス席に案内されてオーダーも済んだ頃、先客が「ワインはいかがですか」と声をかけて下さった。
少し離れた席からこちらまで足を運んでくださったことに恐縮しつつ、既にビールを頼んでいたが、ワインも有難く頂く事にした。ついでに席も改めて用意して頂き、皆でそちらに移動する。テラスへ足を踏み入れた時、おしゃれな雰囲気のお二人に、ミラノ在住の日本人かなと思っていたが旅行中のご夫妻であった。
横に目をやれば、奥様もまた素敵な装いだ。丁度ミラノに着いたばかりということで、カジュアルな旅姿だが上品さが漂っている。個人ながらソムリエの資格を持つほどにお二人共ワインがお好きで、奥様はワイナリー巡りの途中からご主人と合流されたとのことであった。ヴェネツィアからあちこちの街へ寄りながら来られたそうだ。
ミラノに数日滞在した後は、更にノルウェーに回られるとの事だ。「今夜はスカラ座でオペラ、明日はサッカー観戦」とお聞きしタフさに驚く。ゴールデンウィークを利用するとはいえ、自営業ならではの休暇の過ごし方であろう。
ジャズもお好きで、マッコイ・タイナーやマックス・ローチの名が出てきた時は、私も同じ時期に青山ブルーノートに行った事を思いだしていた。ハミングしながらピアノを弾いていたマッコイ・タイナーの姿が浮かぶ。骨董通りにお店があった頃の事だ。
あらゆる事に関心をお持ちのお二人は、時間を作っては旅をしておられるという。音楽ばかりか絵画にも詳しく、話していて本当に楽しい。ご相伴に与ったワインも美味しい。それにしても、ランチにボトルでワインなんて素敵だ。人生をを存分に謳歌されている。先日のヴェネツィアに続き、旅先でこのような出会いがあることに心も弾む。