照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

街コンよりは働き方の見直しを

経団連、街コン推進」というニュースに、出会いの場を増やすのも大事だが、根本にある働き方の問題に、なぜ目が向かないのかと思った。人口一億人維持のためというが、子育てしやすい環境からは程遠い現状を変えずに、思惑通りにうまくいくとは考えられない。

先ず、長時間労働を良しとする雰囲気を無くさなければならない。海外赴任中は、終業後直ぐ帰宅できるので家族と過ごす時間があったが、帰国後は、日本式に逆戻りとはよく聞く。国外でできる事は、国内でも可能なはずだ。

アメリカに住む従姉妹が、終業後すぐ帰らなければならないので、やり残した仕事は、早朝に出社して片付けると言っていたのを思い出した。たまたま私が滞在していた折、部署が変わったばかりで非常に多忙だったようだが、朝6時過ぎに出かけたのには驚いた。職場と自宅が近い事もあって、一旦帰宅して、子供たちと朝食を済ませてから学校へ送りがてら再び出勤していった。従姉妹は、夫が亡くなって以後、このようにして、一人で仕事と子育てを両立させていた。

この従姉妹が以前、日本企業の支店に勤務していた時も、終業後はすぐに帰宅できた。そのため彼女は、余暇を活用して仕事に関係ある勉強を続けていた。大学の講座を受講していたのだが、授業が4時間と聞いて、それにも驚かされた。その頃、従姉妹の子はまだ小さかったが、学校へ通う間は、夫が世話をしていたという。日本企業の撤退を見越しての事ではなかったが、結果として、その勉強が役立ち、現在は公認会計士として働いている。

私の知る海外での働き方はほんの一例かもしれない。だが、ヨーロッパなどへ旅した折にも、自分の時間の大半を、仕事のために費やす人は少ないのではと感じる事はよくある。日本人以上にモーレツに働く人もいるらしいが、一般的ではないだろう。

働き方は、仕事の進め方の問題でもある。長時間職場にいる人よりも、効率良く集中して仕事をする人が評価される社風に改めれば、自ずと働き方は変わる。私の勤務先がことさら遅れているのか、会議の長さにも疑問を感じる。会議などは、早朝、時間内にきっちり終わらせる工夫をすればいいとつくづく思う。結局、時間への意識の欠如が根本にあるのだ。

会社での時間の使い方を考慮するだけで、今問題になっているさまざまなことが解決できるはずだ。街コン推進もいいけれど、出会った後に、交際する時間が取れるかどうかが結婚への鍵ではないだろうか。また、社会全体で、子育てしやすい雰囲気や環境を整えることにこそ知恵を絞るべきであろう。あまりにずれまくっている、かつてのモーレツ社員たちの考えに疑問を覚えた次第だ