照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ひっそりとした雰囲気に惹かれて ポデスタ礼拝堂

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バルジェッロ国立博物館は、13世紀に、行政長官(ポデスタ)の館とし建てられた。その後、司法長官(バルジェッロ)の役所兼邸宅となり、呼び名はそのまま現在まで引き継がれている。

これは2階奥にある礼拝堂入口だ。天井や壁に描かれた絵やステンドグラスが、祈りの場らしく落ち着いた雰囲気で、そのひっそり感に惹かれて足を踏み入れた。

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描かれた当時の鮮やかさは想像で補うしかないが、私にはむしろ、この時代を経た優しい色合いがしっくりと心に響く。

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この礼拝堂へ続く間には、ガラスからタペストリーと様々なコレクションが収められている。
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それらの一部、ずらっと並べられたカメオを眺めながら、当時の権力者たちの生活の豊かさを想う。そしてそれらがこんにち、観光資源として活かされ、結局は市民に還元されているのだなと、全てが巡り巡る妙に納得する。

雰囲気に導かれるかのように足が向いた礼拝堂だが、有名無名に関わらず、フィレンツェにはまだまだこのような場所がたくさんあるのだろう。前回この博物館を訪れた時には、気付きさえしなかったのにと、出会いの不思議さを思う。こうして自分だけの旅物語が、少しづつ広がってゆく。