照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

闇に浮かぶ光 描き方のヒントは教会から?



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サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中に入ると、美しい天井に目を惹かれる。
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ステンドグラスと壁のフレスコ画が荘厳な雰囲気を醸し出している。
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灯のようにも見えるステンドグラス。入口から入って順に回っているうちに、敬虔な気持ちになってくる。教会は、本当によく考えられて設計されていると感心する。
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窓と窓の間にもフレスコ画、闇の中に浮かびあがる光。カラバッジョやそれ以前、そして以後、レンブラントへと連なる光と闇を際立たせた描き方は、案外このようなところからヒントを得たのではないかという思いがふと湧いてきた。
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ほどよく色が抜け、時の流れを感じさせるフレスコ画は、いたるところにある。
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薄明かりの中で、目を凝らして壁に描かれた絵を見ていると、法隆寺で壁画(
模写)を見た時のことが重なってくる。宗教は異なるが、民衆へ与える心理的な効果はよく考えられていると、またもや感心する。

それにしても、家並みや構築物の違いを越えて、歴史ある街の雰囲気は、東洋も西洋もよく似ている。以前ここフィレンツェで出会った方が、自分の住む京都に似ていると言っていたが、私にはむしろ、奈良のイメージが浮かんだ。

芸術の都とキャッチフレーズのように言われるフィレンツェ。前時代から続く建物や絵画が、若き芸術家たちを刺激して、更なるアイディアが生まれる。その切磋琢磨の長い時間が積み重なって、今私たちの前にその全てを見せてくれていると思うと、できるだけその流れに沿って丁寧に味わいたい。

写真を眺める度、一月前の感激が蘇ってくる。今しばらくは、思い出の旅を続けよう。次回からは、ローマを振り返りたい。