照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

フィトンチッドでリフレッシュー高尾山

朝の電車で、すぐ後ろに立った若い男性二人のおしゃべりが耳に飛び込んできた。関西風のアクセントの男性は、土曜日に高尾山へ登ってきたようだ。その前日、仕事でミスが多く上司に叱られたので、気分を変えたくなったと説明している。

 
ケーブルカーに乗ったのと聞かれ、いや、歩かなければ意味がないからと、関西弁の男性が答える。まさにこの時、やはりそうだよねという思いであった。
 
何といっても、手っ取り早く気分転換できるのは歩くことだ。くさくさと鬱屈な思いを抱えている時には、尚更効果的だ。同様のことを考え、実践している人もいるのだと嬉しくなる。
 
自然の中に身を置けば、浮世の辛さもいっとき忘れられる。樹木や場のエネルギーを十分に受けたなら、心もすっかり元気になるに違いない。混雑した車内から、私の思いも高尾山へ飛ぶ。
 
新宿駅から高尾山口まで、約1時間。コースもいろいろあるが、初心者向きの1号コースなら、1時間半足らずで登れる。帰りには、リフトやケーブルカーという選択もある。フィトンチッドだけを浴びたい方は、行きも帰りも乗り物利用でもいい。
 
但し、登るのに手頃な山だからといって侮ってはひどい目に遭う。下山する時に道端から滑り落ち、足を骨折して入院する事になった人もいる。退院後もリハビリに通ったりと、とんだ災難だったと言っていた。山に限らず、どんなところにも危険は潜んでいる。用心に越したことはない。
 
たまに利用する京王線の駅には、高尾山のポスターが貼ってある。お蕎麦の写真に惹かれながらも、ここ最近出かけていない。いつでも行ける距離だからこそ後回しになってしまう。自分が動かなければ、いつかなんて永遠にこない。久しぶりに行ってみようかという気になった朝だった。