覚悟できてますか?ーすぐそこにある老後
金曜日は、出社組数人で、帰りにお好み焼きを食べようということになった。ビール片手におしゃべりしているうち、何かの弾みで、老後の話になった。
50代に突入して間もない同僚は、結婚したい意思を表明するものの、真剣に取り組む様子がない。将来どうするのかと聞かれると、お兄さんの子どもたちを当てにしているような口ぶりであった。
親しく頻繁に会ったりしているのかと思いきや、小さな頃こそ、親に連れられて祖母(彼の母)に会いにやってきた甥と姪だが、高校生になった現在は、来る事も稀だという。兄の住まいから彼の家までは、1時間半弱の距離だ。
聞けば、自身にもまだご存命のおじさん、おばさんはいらっしゃるようだ。だがこれまで、その方たちがどのように暮らしているかなんて、まったく気にしたこともないと言う。
自分が、親のきょうだいに何の関心もないのに、逆の立場になり得るわけがない。つまり、小さな頃どれほど可愛がろうと、大人になった甥や姪が、老人になった自分を大事にしてくれると思うのは、単なる願望だ。
おせっかいながら、そんな幻想はさっさと捨てた方がいいと言った。ついでに、掛け金が高いとぼやいていた生命保険も、死亡時の受け取り金額を見直したらいいのではないかとアドバイスした。
誰かを当てにするよりは、90歳でかくしゃくとしているTさんのように、自分独りで生きてゆくと、早いうちから覚悟を決めた方がいい。そのためにはどうすればいいか、健康、経済、精神的な面を含め、十分考慮して、準備しておくしかない。
まだ先と思って何もしないでいると、気づいた時には、既にその年代になっていて、慌ててしまうに違いない。要は、若い頃から、結婚するしないに関わらず、自立の精神を持つことが必要ということだ。これは自分への戒めでもあると思いながら、皆と話していた。