照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

名前にまつわるあれこれー自分の名前好きですか?

いつの頃からだろう、子供につける名前は、かなりバラエティーに富むようになった。親の願いや思いを漢字に込めるというよりは、響きを重視した当字が多くなった感さえある。何と読むのか、頭を悩ますこともしばしばだ。

私が若い頃、会社で上司が、子につける名前で夫婦喧嘩になった話をしていたのを思い出した。ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士にあやかって、男の子なら秀樹、もしくは、「き」だけは入れたいと奥様が主張したそうだ。すると上司は、それなら、タヌキでもキツツキでもいいのかと返したとのことであった。

咄嗟に出たにしては、相手をギャフンと言わせるだけのインパクトがあると感心した。だが、結局どのような名前になったのかは、まったく記憶にない。

ずいぶん前に亡くなった私の祖父は、芝居などでは悪者の代名詞のように使われる名前の持ち主であった。本人はそれが相当嫌だったようで、その反動か、自分の子供たちには、かなり凝った立派な名前をつけた。また、人からもよく頼まれたが、十分考えてつけていたようだ。

また、私の会社に、30代前半ながら、学生結婚ということもあり、既に5人の子持ちの人がいる。だが、名前に関して自分に命名権はなく、全て奥様が決めたと言っていたが、どの子の名前も響き重視のようである。耳馴染みがないせいか、私などは、何度聞いてもなかなか覚えられない。

名前に描く思いはまったく人さまざまだが、あまり親の趣味を全面に押し出さない方がいいような気もする。演劇界で活躍されているある方が、シェークスピアの脚本の一つを、そのままお子さんの名前にしたと知って驚いたことがある。もし自分が当事者なら、複雑な思いがするだろう。

名前は、後々までつけられた方の問題として残る。あまり子を悩ます名前は、避けた方がいいような気がする。また、凝りすぎるよりは、むしろ平凡な方がいいかもしれない。

ところで私の名前は、祖父がつけてくれた。漢字も読み方も難しいが、可もなく不可もなくというところだ。ちなみに、長男である父の名は、かなり気合が入ったのかとてもいい。聞いたことはないが、本人も気に入っているようだ。

ランチタイムに、今年の暮ママになる同僚から、名前の候補を聞きながら、名前にまつわるあれこれを思い出していた。