照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

幼い子はお手伝い好きー好奇心を大事にしよう

幼い子はお手伝い好きだ。何か小さな用事を頼むと、喜んでやってくれる。幼いなりに、人の手助けになれることが嬉しいのだと思う。ある朝、姪の家に行った時のことだ。ドアを開けるなり、姪と一緒に出迎えてくれた、3歳になる姪の長男が大泣きしている。
 
どうしたのかと問えば、その子の役目である朝のゴミ出しを、その日に限って、姪が済ましてしまったという。ゴミ出しって、そんなに楽しかったかしらとの思いが、一瞬、頭を過ぎった。だが、それは大人の感覚で、仕事の内容ではなく、役目を与えられたことが嬉しいのだとすぐ気づく。
 
私は、持参した手土産をその子に渡しながら、箱を開けて、皆に配ってくれるようお願いしてみた。すると、ゴミ出しの魅力には及ばないものの、多少機嫌を直してくれた。
 
また、別の日、突然ご主人を亡くされた友人のお宅へ、数人でお悔やみに伺った時のことだ。娘さんが、あれこれ用意して下さったテーブルを囲んでいると、台所の方から、いきなり泣き声が上がった。
 
早く結婚した友人には、二人のお孫さんがいて、その日は、ママと一緒に来ていた。泣いているのは、下の男の子だ。何かと思えば、お姉ちゃんばかりお手伝いして、自分の出番がないことが、悲しくなってしまったようである。
 
私たちは、初対面ながら、早速、その子にも、小皿や箸を持ってきてとお願いした。また、お姉ちゃんがその仕事をやってしまわないように、彼女には、もっと難しい用事を頼んだ。落とさないで運べた事に満足したのか、弟君にも笑顔が戻って、皆ほっとした。
 
親のやることは、何でもやりたくなってしまう幼い時期は、危険に充分配慮しながら、何でもやらせてあげたい。好奇心を育てる絶好のチャンスだ。学ぶとは、まねぶの転化とは良く知られている。真似をしながら、覚えてゆき、達成感を味わうのだと思う。
 
幼い子にお手伝いしてもらうより、自分でやった方が早いし楽だ。でもそれを、手伝いと捉えず、心を育てていると考え、じっくり見守るゆとりも大事だなと思う。