照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

今この瞬間が大切ーそのためには何でも楽しんじゃえ精神で!

昨日は、場合によっては雪という予報であったが、雨で済んだのでホッとした。雨が上がった後散歩に出てみると、思いのほか寒くはなかった。

沈丁花は今にも弾けそうと、よその玄関先を眺めながら歩いてゆくと、梅はすでに一分咲きだ。どんよりした空の下では紅梅が、ぼんぼりを灯したように目に飛び込んでくる。更に桜草のピンクが、温かな雰囲気を後押しする。

節分が過ぎれば立春。冬から春へ、こうして少しずつ色が増えてゆく。暖かさから一転、寒い日が続いたりしていたけれど、行きつ戻りつを繰り返しながら、季節は進んでゆく。

毎年同じことを考えていると、自分に可笑しくなるが、季節の移り変わりに思うことは、いつも一緒だ。このように記憶が一年一年積み重なって、ちょうど年輪のように、自分の歳の数だけ厚みを増してゆく。

過去を懐かしむ趣味はないが、ふとした折にその厚みから、昨年、もしくは数年前、あるいは数十年前が顔をだすこともある。子供の頃からの写真はとっくに処分してもうないが、その場面はいつでもくっきりと蘇る。

散歩しながら過去へ寄り道したり、心は自由だ。今目の前に広がる光景が、自分の年輪の一部として、どれほど残るのかは解らないが、消えるものはそれで良いと思いながら、この時だけの感動を楽しんでいる。いつだって、今、この瞬間が大切。それは、日々の全てに当てはまる。そう思うと、嫌なこともひっくるめて楽しんじゃえ精神に拍車がかかる。