照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

装う楽しみは生きる張り合い

海外旅行から帰って先ず感じるのは、日本人はおしゃれだなということだ。世代、性別を問わず全般的に、装うことに、かなり高い関心を持っていることが分かる。若い方々の着こなしに、ハッとさせられることもしばしばで、こちらもだいぶ楽しませてもらっている。

 
しかし一方で、ファッションは相対的なものだなと思う。センスや持ち物への評価は、その価値を共有してくれる人がいて初めて成り立つ。例えば、知り合いで有る無しに関わらず、自分の周りの人々が悉く自分と異質の感覚の持ち主であったら、自分のファッションセンスを心秘かに誇っていたとしても、それは全くの自己満足で終わってしまう。
 
着るということは、究極自分のためなのだからもちろんそれでいいのだが、見て見られてこその部分も大きい。意識するものが無くなると、ファッションへの気合いの入れ方も次第に薄れてゆく。裏返せばそれは、まさに人の目を気にする必要がなく気楽そのものだ。
 
だがその反面、やはりちょっと物足りない気もする。自分をどのように表現するか、少ない手持ちの服をあれこれ組み合わせ、工夫するって楽しい。それに反応してくれる人がいて、更におしゃれへの意欲が湧く。
 
大袈裟に言えば、それが生きる張り合いにも繋がる気がする。つまり、ファッションを意識するということは、社会との接点を失わないでいられるということだ。こざっぱりと身綺麗にするのは、これからの私にとって尚更必要なことと自覚して、装うことを楽しみたい。