照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

どこへ行くにも自分の足が頼りと覚悟を決めれば

日本は交通費が高いと、昨今しばしば感じる。この3ヶ月以内に、ポルトガルや台湾を旅してみて、殊更高さが際立つようにさえ思われる。そして、在職中に会社から支給されていた定期券が、どれほど有難かったかと改めて思いしらされた。

 
これまでは、散歩に出ても帰りは定期券を利用したりと、日々何かとお世話になっていた。だが、電車でもバスでも、いざ自分が支払うとなると、片道でもバカにはできない金額だ。ターミナル駅まで往復すると、コーヒー一杯の値段では済まない。
 
毎月の給与がある時にはさほど気にもしなかったが、仕事を辞めてみると、細かな経費がいろいろと見えてくる。そこで、用事がある時でも、どうせなら散歩も兼ねて歩こうと決めた。今までのトロトロ歩きを改めてせっせと歩いてみれば、どこもかしこも案外近い。大概の所へは1時間もあれば行き着く。
 
用事を済ませカフェで一休みした後、自分の足で歩くより他にはないのだと覚悟を決めれば、帰りも苦にはならない。これまでは、自分では歩いている方だと思っていたが、結構自分を甘やかしていたことが分かる。それに、往復2時間あまり歩いた所で、それほど疲れはしない。
 
近くには大山道もあって、江戸時代の人は、大山詣りのためにひたすら歩いたと想うだけで、まるで比較にはならない距離だが、更に元気が湧いてくる。歩くよりなかった時代に戻りたくはないが、時間に縛られない今は、可能な限り自分の足を頼りに暮らすのもいいかなと考えている。その上、健康もついてくるとなればいうこと無しだ。