照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

快適生活の基本は体調管理から

昨秋から今日まで、『風邪の効用』(野口晴哉ちくま文庫)でいうところの、風邪が過ぎてゆく状態は何度かあったが、特に悩まされることもなくホッとしている。喉が少し痛かったり、寒気がするとすぐに、身体を温める等の手当をしたおかげだ。

会社勤めしている頃はこのように、体調管理に結構気をつかっていた。でも人には、「いつも元気だね」で済まされてしまう。一人の風邪引きさんが、次々と社内の人たちにウイルスを振りまいても、用心のおかげで何とか感染せずに乗り切れば、風邪を引いた人からは、「頑丈だね」の言葉がくる。

それに対して、(仕事に支障が出ないよう努力しているんです)との心の声は抑えたが、そのたび多少の「ん?」という思いは残った。もちろんそれは、ひとえに自分のためであり、別に誰かに健康自慢したい訳ではないからいいのだが、あまりに簡単な物言いに、自分の努力が肩透かしにあった気さえしたものだ。

つい最近図書館で、ある俳優さんのインタビュー集をパラパラと捲っていたら、「自分はロケで酷寒の地などにも長く滞在したが、怪我や病気には充分気をつけて、チームに迷惑をかけることはなかった・・・」というような主旨の言葉が目に留まって、やはり厳しく自身を律しておられたのだと、その方に改めて共感を覚えた。

チームにせよ個人にせよ、また仕事の種類や規模にも関係なく、自分の役割を遂行するため、自分の健康に細心の注意を払うというのは、仕事をする者としての基本だ。例にあげるのはおこがましいが、そのページを開いた途端、分かる人に出会えた気がして嬉しかった。

体調管理は自分のためであることは言うまでもないが、一緒に仕事をする人へも影響を及ぼすことを、誰もがもう少し意識した方がいい。それは、具合が悪くても無理せよということではない。むしろそんなことをされたら、更に周りに迷惑が及ぶ。

体調を整えるには、自分を過信せず、かつ労わることを習慣にするしかない。ともかく年代に関わらず、これぐらいならという油断は厳禁だ。しまったと思ってからでは遅い。また、仕事を離れて後は、更に健康に気を配らなければならない。何といっても病気や怪我は、倹しい暮らしの敵だ。いつでも、自分の身を守る意識は必要だ。