照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

紫陽花の花束が届いたー友人からのハガキ

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友人からのハガキ (部分)

 

紫陽花の花束が届いた。遠方に住む友人から嬉しい便り。そのハガキに描かれた紫陽花だ。"我が家にも左上のピンクの花が咲いています。"とあって、友人の家の庭にしばし思いを馳せる。一緒に、花を眺めている気分だ。

それにしても、手紙って良いなと思う。『お勝手太平記』(金井美恵子著)のアキコさんからくる手紙だったら、ストレスの種にもなりかねないが、私の友人・知人からの手紙はそれとは逆で、郵便受けにハガキを見つけた日は、気分が上向く。

殊に昨日は、身体にやや元気が足らなかった。生姜入り紅茶でも飲んで、少し昼寝でもするかと考えつつ帰宅したのだが、ハガキを見て急に元気が漲った。

この十数年、電子メールが普及してからというもの、すっかり忘れ去られたかのような手紙だが、頂くと嬉しいものだ。第一に、直ぐ返信しなくてはという忙しなさがない。返事は直ぐ書きたいタイプの私だが、その日の夕方でも、翌日ポストに投函しても、先方に届くのは同じだ。それなら、読んだ後一段落してから、もしくは翌日の朝書いても間に合う。

Eメールでは、この僅かなゆとりが持てないほど、なぜか焦って返信してしまっていた。でもこの頃、特別に急がない場合は、前のようにハガキにしようかなと考えていた。その矢先に届いたので、気持ちが通じたようで余計に嬉しい。

そして、どれにしようかと、友人の図柄を選ぶ様子が伝わってくる。そんな心遣いが感じられるハガキに、喜びも倍になる。

紫陽花は、梅雨空によく映える。傘を差して近所を一回り、もしくは名所に出向くか、どちらもお好みだ。でも、あまり雨脚が強い日は、ハガキの紫陽花を楽しむというのも良い案だ。この絵の向こうから、これまで出合った沢山の紫陽花たちが顔を覗かせる。