照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

「君の能力と才能を絞りきってものを書け」にドキリー書く以外にも通じる言葉

"君の能力と才能を絞りきってものを書け。そして弁明したり、自己正当化するのはよせ。不満を言うな、言い訳をするな"(『ファイアズ(炎)』レイモンド・カーヴァー著・村上春樹訳・村上春樹翻訳ライブラリー・2007年・「書くことについて」P・44)

レイモンド・カーヴァーの叩きつけるようなこの言葉が、心にグサリと突き刺さる。これは、
"時間があればもっといいものが書けたはずなんだけどね。ある物書きの友人がそういうのを耳にして、私は本当に度肝を抜かれてしまった。"(P・44)
と、彼自身がショックを受けた後の言葉だ。

これは、書くことばかりでなく、仕事をはじめさまざまな場面に通じる。そして、"時間があれば"を、いつだっていろいろな言い訳に使い過ぎていないだろうかと、慌てて自らを省みる。

もしそれが、その時自分ができる最善だったのなら、照れ隠しのような言葉はいらない。例え、全力投球でなかったとしても、自己弁護のための言い訳さえしなければいいのだ。

だいたい、全てにおいてどころか一点に絞ったとしても、毎回100%の力を発揮するのは困難だ。一時は出せたとしても、それが続いたら自分がたちまちポキっと折れてしまうだろう。かといって、自分を甘やかし過ぎてもいけない。言い訳魂は虎視眈々と、意志などノックアウトしてやろうと闘志を燃やしている。だからこのバランスが難しい。

ところで書くことについては、気取っている場合じゃないだろう、本気で"子豚釣り師"を見習えと、喝を入れられた思いであった。子豚の釣り師に釣竿でコツンとやられても困るので、ちょっと神妙に、襟を正す思いで、冒頭の言葉を胸の奥深くにしまった。

ちなみにこの子豚釣り師は、『村上かるた うさぎおいしーフランス人』(村上春樹著・安西水丸絵・文藝春秋・2007年)の[う]にでてくるのだが、言うまでもなく、童謡「ふるさと」の"小鮒釣りし "のもじりだ。

何しろ私は、駄洒落、ナンセンスの類が大好きだ。何とか、おおこれぞナンセンスなる分野へ分け入りたい。と言っても現状の私のレベルはかなり低く、(イルカはいるか?)、(イルカはどこいるか?)クラスの横を向かれちゃうような親父ギャクだ。

どちらも同じじゃねえかと怒りムクムクの方、どうか冷静に!だから襟を正して修行に励むのですから。こんな私でも、"才能と能力を絞りきった"らちっとはマシになるか、乞うご期待。ただ問題がひとつ。Tシャツじゃ正す襟が無いんですが。やっぱり買い物から始めますか。

オイオイ、だいたい黙って聞いていれば何だコリャ。清く正しく的なことを勇ましく掲げたなと思っていたら、お終いは子豚の釣り師かよ。今さら修行したところで、そのどうしようもないセンスは磨かれないよ。イルカなんているわけねえだろう。もっと真面目にやれ。ところでイルカはdolphin?(どのへん)

ハイ!・・エッ?、カクッ。