照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

猿が人間からペットボトルを奪う?

アジャンター、エローラにハンピとインド遺跡巡りの旅から帰ってきた次男から、猿が、人間からペットボトルを奪ったという話を聞きびっくりしてしまった。

ハンピ遺跡には、猿が祀られているハマヌーン寺院があるのが関係しているのかどうか分からないが、いたるところに猿がいるという。毛づくろいしたり、柵の上に座っていたりするのを眺めていたら、近くに居た人が、手に持っていたペットボトルをいきなり猿に取られたという。その人が慌てて取り返そうとするも、キーキーと威嚇され、結局は取られたままということだ。

更に詳しく聞けば、キャップを閉めた状態で取られたという。それでは猿が自分で蓋を開けて、両手で抱えて飲むのかと驚いたのだが、そうではなかった。その猿がどう開けたかまでは分からなかったが、ペットボトルから直接飲むのではなく、床に中身をこぼしてすすっていたという。また、ペットボトルを持った猿は他にもいて、キャップの横をかじって穴を開けようとしていたそうだ。

まさかペットボトルが狙われるとは思いもよらず、手に持ったままの人は多いだろうなと察する。これからは、猿の前では、食べ物だけではなく飲み物にも要注意だなと考えさせられた。

かと思えば、この遺跡はヒンドゥー教の聖地のためか、小僧衆(見習い僧か?)もたくさんいて、猿を追いかけたりして遊んでいたという。猿は自分たちの仲間くらいの感覚なのかなと、それにもちょっと笑える。

またこのハンピには、豚(野良豚?)も結構たくさんいて、集団で排水溝を走り回っていたそうだ。かつて長男から、町中だろうとどこだろうとインドは想像以上に牛が多かったとは聞いていたが、豚もいるとは意外であった。やはり広大なインドのこと、地域によっても違うのだろう。ちなみにハンピ遺跡は、デカン高原にある。

といっても、私はアジャンター石窟群の名前しか知らなかった。だが、エローラ石窟群やハンピ遺跡の話を聞いて俄然興味がそそられる。エローラ石窟群は、ノミと槌だけで岩山を上から掘ってゆき、寺院や彫刻まで作り上げてしまったという。

岡本太郎は、『美の世界旅行』(新潮文庫)の中で、
"神像、動物、妖怪が無限の彩りとなって執拗に彫り込まれ、重なり、響きあっている。眩惑な構想である。・・・巨大な夢の塊が躍っている感じだった。(P・17~18)
と感嘆している。

ところで、猿とペットボトルについてインターネットで調べてみると、なんと!自分で蓋を開けて、両手で持って飲む画像も出てきた。こうして学習してゆくのかなと、その知恵にまったくビックリだ。