照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

「トランプにここまで粘られるアメリカはバカの連合国」って凄いタイトル

「トランプにここまで粘られるアメリカはバカの連合国」(10/11ニューズウィーク日本版)、この凄いタイトルにびっくり。記事はこちら。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6005.php

実際、当初から冷ややかな目で見られてきたトランプ氏が、まさかの大統領候補指名を勝ち取り、数々の失言を繰り返しながらも、なぜここまでこられたのかが本当に不思議だった。

支持するのは無学な白人貧困層と揶揄するように言われてきたが、それだけで、この勢いが続くものなのかと疑問が残った。が、タイトル通りアメリカが、"バカの連合国"なら、すんなり腑に落ちる。

先月下旬、ラジオで、アメリカ在住のジャーナリストの方が、「トランプ氏が打ち出す経済政策が現実となったら、結局、一番困るのは彼の支持者たちという皮肉な結果になる」というようなことをおっしゃっていた。そして、「いくらメディアが具体的にそれを指摘したところで、彼等は新聞読みませんから」という言葉に、なるほどと納得した思いであった。

つまり、"バカの連合国"と称されるほどに、今やアメリカ国中に無知層が拡大しているということか。それならば、事あるごとに何度も言われた、(トランプはこれで終わりだろう)との思惑など蹴散らすかのように、支持を得続けてきたのも納得がいく。

筆者は更に、次のように述べる。

"そのトランプも、第3の党であるリバタリアン党の大統領候補ゲーリー・ジョンソンと比較すればまだましに見える。・・・ジョンソンは現在、ミレニアル世代のかなりの支持を獲得している。こうした世代の有権者の多くは、彼らがクリントンではなくジョンソンに投票することによって、間接的にトランプを大統領にしてしまいかねない危険性に気づいていない。"

*(ちなみにミレニアル世代とは、主にアメリカで、1980年代から2000年代初頭に生まれた10代20代の若者の総称)

そして、"呆然とするほどアメリカ人から知識が失われた結果"が、"トンデモ公約を鵜呑みにする"人々の出現と言い、無知に民主主義はできない"と危機感も露わに、"11月8日に何が起ころうとも、現在の状況は公民教育を緊急に再生しなければならないことを物語っている"と、"基礎的な知識の欠如が、トランプかトランプのような扇動家の餌食になってしまう"ことを懸念している。

アメリカの大統領選の結果は、日本にも関わってくるので、まったく他人事ではない。それにしても、

"現在および将来の有権者が、行政や歴史、地理、国際情勢、経済などに関する基本的な知識を獲得し、十分な情報に基づいて選択できるように教育を施さなければならない。"

とは、実際、どこの国の有権者にとっても必要なことだ。考える手がかりとしての知識も持たず、その場の雰囲気に煽られて動いてしまった結果がどうなるかは、今年、既に他国での例がある。目の前の現象だけに囚われるのではなく、物事は視野を広げて見なければ駄目だと、改めて深く考えさせられた。