照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

うどんを噛みしめるたびいりこ出汁がジュワッと口中に広がる-みよしうどん

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みよしうどん

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道路の右側の屋根がお店

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道路を挟んで目の前にある高薬師

 

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棚上段に並ぶ手作り丼

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店内 右が入り口 左が厨房

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棚左下には寝かせてあるうどん

みよしうどんのドアを開けると、メルヘンの世界へようこそという感じで、店内がなんとも可愛らしい。森の奥深くに迷いこんだら、いきなりカフェがあらわれホッとするイメージだ。でも実際は、目の前に畑が広がる場所にあって、森の要素など皆無だ。

農道の狭い道に慣れない者には、ここまで辿り着くのが一苦労で、ようやく到着したという思いが、『注文の多い料理屋』に重なったのかもしれない。とはいっても、ドアの向こうに光る目などはなく、まして注文が多いどころか、水と器の片付けのみセルフというごく普通のうどん屋さんだ。

小のかけうどん(250円)と、いりこ入りおにぎり(100円)を注文する。おとぎの国の雰囲気漂う店内で、奥様及び友人による手作りの愛らしい器で、まず、いりこと天かすが入ったおにぎりを頂きながらうどんを待つ。

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可愛いお皿にいりこ入りおにぎり

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運ばれてきたうどんには、竹輪とネギがトッピングされている。天かすは別の器で供されるので、入れるかどうかは好きずきだ。七味やゴマも置いてある。私はどれも入れずに、うどんの汁をまずは一口、いりこの香りが立ち昇る。ウワッ!美味しい。ついでうどんを、これまた味わい深い。うどんを噛みしめるたび、いりこ出汁がジュワッと口中に広がる。麺に汁が絡むとはこのことかと、初めて納得。

小とはいえ、量も結構多い。仕事途中の地元の方から、私たちのようなうどん目当ての方と、客が次々に訪れる。黒のトンガリ帽子の奥様に、頭に手ぬぐい巻きのご主人が、うどんを茹でたり天ぷらを揚げたりするのを眺めながらゆっくりと頂く。ごく普通ののうどん屋さんの光景だが、お値段はセルフとさほど変わらない。

ちょっと分かりづらい所にあるが、うどんを求めて香川まで行くなら、ここは絶対に外せない。出汁がともかく美味しい。今回で3回目になるうどん屋さん巡りだが、この店で、急に出汁に目覚めた思いだ。

過去2回までは、ともかくその店の名物うどんをと意気込んでいたので、ぶっかけやらかまたまに出汁醤油と、いろいろ試し、あげく、天ぷらや油揚げもしっかりトッピングしていて、出汁そのものの味には注意が向かなかった。薬味を入れたりすると、やはり出汁の味わいが変化する。

今回はどこでも、かけだけにすると、張り切りだした私に、次男が、母ちゃんがうどん博士になっちゃったよとからかう。おまけに、店主ご夫妻やお店の感じがすっかり気にいったものだから、評価がググーンと高まったんじゃないのと言う。ごもっともなご意見だ。

但し、そんなたわ言にもめげず母ちゃんは、早くも次の日の出製麺所へと心が踊る。