照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

徳島で身も心もリフレッシュー良い旅だ!

徳島へ向かう高速道路を走っていると、自分がまるで映像のワンシーンに入り込んでしまったかのような錯覚に陥る。日付も曜日も場所すらも、遥か彼方へふっ飛んで、ただ、私はここにいると感じる。

左手に時々現れる海に右手の山なみは、いかにも日本の風景そのものだけれど、なぜか日本にいるという気がしない。まるで、自分がコスモポリタンになったような気分だ。新聞やテレビはもとより、ラジオもスマホも遠ざけ、日常のあらゆる出来事から離れ、自分の感覚だけを頼りにあちこち歩く。これこそが旅そのものだ。

徳島についてすぐ、あらたえの湯という温泉施設に向かう。本日の夕食は次男とは別で、私は市内在住の友人と共にする予定だ。しかし、それまでに4杯のうどんがこなれるかどうかやや心配。

日頃、温泉にはまったく興味がない私だが、旅3日目ともなると多少疲れも出てきており、身体をほぐすにはちょうど良いタイミングだ。といっても、長い時間は浸かっていられない。合間に水風呂でのぼせを冷ましながら、ちょこちょこといろいろな湯を試した。なかでも、肩まわりを水圧でほぐしてくれる寝湯が、非常に気持ち良かった。

お湯から上がった後は、リラックスシートに身体を伸ばし、しばし休息する。頃合いを見てホテルへ向かい、各自部屋で、再び寛ぎタイムだ。友人が、仕事帰りにホテルまで来てくれることになっている。

待ち合わせ時間になり、ロビーまで降りると程なく、友人登場。初対面の次男を紹介した後、それぞれに店を目指す。私は最初、カフェで軽く何か食べようと思っていたのだが、意外にもお腹も空いてきた。

居酒屋さん風の店で、生ビールと一緒に、阿波尾鶏のササミフライやコロッケ、トマトスライスにピッツァマルゲリータを頂く。どれも美味しく、量も多すぎずちょうど良かった。

友人と会うのは一年半ぶりだが、ついこの間という感じで、話が弾む。いつ会っても、何事にも真摯な彼女の姿に触発される。この友人に励まされて、書き直しとなった卒業論文を、まるで火事場の馬鹿力のごとき勢いで、短期間で仕上げた頃が懐かしい。

あれ以来どんな事にでも、ちょっと無理かなと諦めムードになるたび、彼女の「諦めてはダメ」という言葉が蘇る。すると、不思議に踏ん張れる。一瞬でも諦めたらすべてはそこで終わりだが、できると思ってやり続ければきっと上手く行く。

ライバルには程遠く、いつも仰ぎ見ていた彼女だが、会うたび、私もやるぞと新たな力が湧いてくる。学びの場で知り合った彼女とは、このようにいつまでも、切磋琢磨を意識する間柄でありたい。もっとも、私より一歩も二歩も先んじている彼女なので、まったくこちらの独り相撲ではあるが。

徳島で身も心もリフレッシュ。今回も本当に良い旅であったと、ホテルの部屋で、眉山を見あげながらひとり静かに思っていた。明日は姫路城を見学してから帰る予定だ。