照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

2016年ポルトガルの旅 エヴォラにて

エヴォラのバスターミナルから、先日泊まったホテル・リヴェエラに向かう。荷物だけ預け、先ずはカフェで一休み。グラスに入ったカプチーノを頂く。ここは広さも客入りも適度で、結構居心地が良い。ちなみに店を切り盛りしているのは、去年と同じおじさんだ。

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クリスマスに向け トナカイ模様製作中

昨年たっぷり街歩きして、カテドラルなどは2度も行っているので、今回は特に行きたいところもない。ディアナ神殿の辺りをぶらぶらしていると、日本人らしき老婦人に会ったので挨拶した。すると、ブラジルに住む日系二世とのことで、とてもきれいな日本語を話される。

娘さんご夫妻にお孫さんと、5人でポルトガルをあちこち観光してきて、旅もそろそろ終盤という。途中、娘さんも話に加わり、都市計画に携わっているご主人が横浜国大と東京大学に留学したため、横浜と東京に計5年間住んでいたとおっしゃる。会話が弾んでいると、ご主人や日本語を話せないという娘さんたちも輪に入ってきて、場が更に楽しくなる。

だが、あまり人の予定を邪魔しても悪いので、頃合いを見計らってさよならする。一人旅の方ならいざ知らず、旅先で、ご家族連れの方とこんなに楽しく会話したのは初めてだ。

パリやロンドンのような大都市ばかりか小さな町でも、日本人同士は何となく顔を背ける傾向にある。むしろ、挨拶さえもしてくれるなという雰囲気を醸し出している人が多いが、これは少し寂しい。もっと気楽に、気軽に、声をかけあったりしたい。

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アソルダ・アレンテジャーナ (パンの上にスープを注ぐ)

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器にたっぷりのスープ 

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別皿のパン (スープ皿に入れた残り)

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カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ

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店内

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店外観

ところで、特に予定もないのにエヴォラに寄ったのは、アレンテージョ地方の名物料理を、その地で味わいたかったからだ。但し、お昼に頂いたのはいいが、これまたたっぷりの量に、頑張って食べ過ぎたため、後でだいぶ苦しむことになった。味もさることながら、残したら悪いという思いもあって、つい無理してしまう。まったく愚かな我なり。

ちなみに、注文したのはアソルダ・アレンテジャーナ。生のコリアンダーとニンニクをすり潰し、パンとポーチドエッグを加えた物だ。昨年マルヴァオンで食べた時は、最初からスープの中にパンが入っていたが、この店では、自分で別皿のパンを入れ、スープを注ぐスタイルだ。タラの切り身も入っていたので、これ一皿でも十分だ。

もう一品は、カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナで、これは赤ピーマンのペーストで味つけした豚肉とアサリを炒め、コリアンダーとレモン汁で仕上げた料理。

どちらも美味しく、もう一口、もう一口とやっているうちに、満腹になってしまった。それでいて、夜お腹が空くといけないから果物でもと、歩き回ってしまった。おまけに目星を付けた店は閉まっていて、結局疲れただけであった。それでも、念のため焼き栗を購入してホテルに帰る。

だが、当然、一つも口に入れられず、ずっと志室と呼ばれる胃腸の調子を整えるツボを押していた。夜になっても空腹にはならず、その挙句、明け方に冷えきった栗をちょっとだけかじった。ああ我は愚か者の二乗なり。
続く