照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ビロードのコートから顔をのぞかせる辛夷(コブシ)〜もう春だ!

昨日の朝、どんよりとした曇り空に、この時期の寒さは苦手だなと思いつつ散歩していた。1月・2月は、寒いのが当たり前との気構えもある。だが、3月ともなると、暖かくなるはずと期待が勝ってしまうのか、少し寒いだけでも、殊の外身にしみる。

そうして歩いているうち、辛夷(コブシ)の蕾が目に入った。ビロードのコートのような和毛に包まれ、さぞ温かいだろうと梢を見上げれば、何と天辺の方には、既にコートを脱ぎかけている蕾もある。途端に、春だ!と嬉しくなる。

それなら他にもと、辺りに注意を払いながら歩を進めれば、辛夷ばかりかモクレンも、同様に花開くタイミングを計っている。おまけに道端には、2輪ほどノジスミレが咲いている。タチツボスミレタンポポが、そこここにと溢れるように咲き出すのももうすぐだ。

紅梅に代わって、桃の花の濃いピンクも出番を待っているに違いない。今日は雛の節句。部屋の中では、一足早く、お雛様の横に飾られているかな。頭の中に春のイメージが膨らんでくるにつれ、寒いと縮こまりつつあった私の背中も急にシャンとなる。