中将姫伝説のお寺ー当麻寺周辺は草もちとお蕎麦も美味しい
当麻寺に行ってきた。近鉄当麻寺駅を降りて、お寺への角を曲がろうすると、よもぎもちの看板が目に入った。早速買って口へ入れるなり、ヨモギの香りの高さに驚く。
先日、月ヶ瀬で美味しい草もちに出合い、これはめったにお目にかかれないと感激したばかりなのに、このよもぎもちもかなり美味しい。但し、月ヶ瀬では、いかにも田舎風あん入りお餅という感じであったが、ここ中将堂さんのは、草だんごのように横にあんが添えられている。だが、スタイルはどうであれ、奈良は、草もちのレベルが高いと嬉しくなってしまう。
当麻寺 山門
当麻寺 本堂
駅から、落ち着いてゆったりした雰囲気の道を10分程行くと山門に到着だ。まずは、本尊になっている中将姫が蓮糸で織り上げたという伝説の當麻曼陀羅を拝観。といっても、現在ここにあるのは、文亀年間(1501〜3)に転写されたものということだ。
ついで、講堂、金堂へと回り、金堂では、四天王(*二体は修理中)と足元の邪気をじっくり眺める。(撮影禁止)どちらも、拝観者が中に入るたびテープによる説明が流れる。これは、なかなか良い試みだ。
おかげで、ここの四天王は法隆寺に次ぐ古さで、しかも、珍しいことに顎髭があるということなども初めて知る。次に古いのは、東大寺戒壇院(戒壇堂)の四天王ということだが、確かに顔の感じはだいぶ異なる。このように、四天王ばかりかその他の仏像も、大陸から技術が伝わった当初に比べ、時代を経るに従い、だいぶ日本人風に変化してきたのだろうなと思う。
ところで邪気も、地面にうずくまるようにしていて、大人しくさえある。東大寺戒壇院の邪気のように、隙あらばもうひと暴れしてやろうかと、虎視眈々と狙っているような感じはない。邪気へのイメージも、時代と共に次第に変わってきたのかなと思わせる。一方、四天王の方も、力で邪気を押さえ込んでいるというより、ただ背に乗っているという感じだ。
三重塔
日本最古の梵鐘
帰りがてら、再度天平時代の梵鐘や三重塔を眺め、広々として気持ちの良いお寺だなと感じる。
門を出ると、すぐ横に手打ち蕎麦の看板があった。入ってみると、店内はこれまた雰囲気が良い。田舎蕎麦と蕎麦もちを頂く。美味しい。蕎麦もちに添えられた餡も、甘過ぎず程よい。
薬庵 当麻寺山門前
店内
店内
田舎蕎麦
蕎麦もち
よもぎもちとお蕎麦の後押しもあってか、当麻寺がすっかり気に入ってしまった。近鉄奈良駅から1時間余りと近いうえに、こののんびりとした雰囲気がとても良い。時々訪ねてきたいお寺だ。それにしても、奈良は良いところがいっぱいある。