照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

メリダ(スペイン)にはコウノトリの巣がいっぱいーもちろんローマ時代の遺跡も

f:id:teruhanomori:20170522023135j:image

メリダコウノトリ

 

マドリッドから電車で5時間。ハゲ山ばかりの風景に飽き飽きした頃、突如出現したオアシスのような雰囲気に浮かれ、〈遥々来たぜ~メリダ!〉と駅に降り立ってみれば、車内の温度表示そのままに32度という真夏日だ。

宿泊先のパラドールメリダまでは駅から5分程ということだが、炎天下に荷物を持って歩いているとずいぶん遠くに感じる。あれがそうだなとホッとした気分でホテルを見上げれば、何と屋根にはコウノトリの巣が。途端に嬉しくなる。

f:id:teruhanomori:20170522021548j:image

パラドールメリダコウノトリの巣

 

翌日、ローマ時代の遺跡がスペインでは最大というメリダの街を歩いていると、またもやサン・ラサロ水道橋の名残りの柱に巣を発見。巣からは2羽の姿が見えるのでツガイかと思いきや、もう1羽見える。アレッ?何だろうと思っていたら、間も無く親鳥が帰ってきたので、巣の中にいるのはヒナたちと解る。

 

f:id:teruhanomori:20170522021616j:image

サン・ラサロ水道橋のてっぺんにある巣

 

この日も暑く、朝、バスターミナルを確認がてら次の予定地までのバスのチケットを購入してから、ローマ橋辺りまで行っただけで、本日の行動終了としたくなるほどゲンナリしていたが、コウノトリの巣を見つけて元気が出る。

f:id:teruhanomori:20170522023237j:image

中央のてっぺん辺りにコウノトリの巣

 

メリダでは、どこでも高い建物には決まってコウノトリが巣を作っている。見つけるたびに嬉しくなって写真を撮っていたが、滞在3日目、日差しは強いものの風が涼しく、ようやく汗をかかずに歩けるとあって、ミラグロス水道橋まで行ってみた。すると何と、コウノトリが水道橋を占領状態だ。

f:id:teruhanomori:20170522021740j:image

巣から飛び立って餌探しに出た親コウノトリ

f:id:teruhanomori:20170522021757j:image

ミラグロス水道橋 それぞれのてっぺんに巣がある

 

メリダは、遺跡ばかりかコウノトリの天国かと思うほどだが、実際、この街には他の鳥も多い。ホテルでは、薄暗いうちから、ブッポウソウブッポウソウと起こしてくれる鳥もいる。

f:id:teruhanomori:20170522021824j:image

グアディアナ川の中洲  木々に沢山の白い鳥

 

ところでコウノトリの巣は、4日目にメリダからバダホスに移動する間も、送電線のてっぺんにもずいぶん見かけた。あんなところに巣を作って大丈夫なのかなとちょっと心配になるが、それ以外に高いところがないので仕方ないのかなと思う。

 

少し低いんではないのというような三つ並んだ柱状の所にも巣があって、おまけにそこには、一段位づつの高低差がある。その場所を決めるに当たっては、やはり身分の差があるのでしょうかと聞きたい感じだ。それとも、単純に早い者勝ちだったのかな。

 

というように、バスの中から飽きずにコウノトリの巣を眺めていたが、バダホスに近づくと巣を見かけなくなった。更に、エルヴァスに向かう頃にはまったく見なくなった。その翌々日、エルヴァスからエヴォラまでの道中でもまず見なかった。昨年の11月、エヴォラからリスボンに向かう際は、高い棒の先にコウノトリの巣を見たので、この辺りにもいるはずだが、生息地に偏りがあるのだろうか。

 

ちなみに、コウノトリは巣を再利用するそうなので、一度作られた巣はずっと同じ場所にあるという。明後日、リスボンに向かう際、またコウノトリの巣を見られるかもしれない。楽しみだ。

 

ところで、日本ではコウノトリの母鳥が誤射されてしまったようだが、ヒナたちに何とか巣立ってほしいものだ。それにしてもコウノトリは、なんであんなに目立つ所に巣を作るのだろう。ヒナたちを狙う鳥はいないのだろうか。旅先でコウノトリに出会い、この鳥について知りたいことがいろいろと出てくる。

 

メリダではもちろん、コウノトリに圧倒されるだけでなく、(メリダは凄い!!!)とローマ時代の遺跡群に唸ってしまった。それについてはまた別の機会に。