照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

マドリッドは見どころがいっぱいーでも美術館の閉館時間にはご用心!

マドリッドには、美術館がとても多い。しかも、時間帯や曜日によって無料にしている所も結構あるので、それらを上手く利用するのもいい。但し、閉館時間に気をつけなければとんだ失敗をする。

 

私は、マドリッド3日目の日曜日、閉館時間が午後3時と早い王立サン・フェルナンド美術アカデミーには朝一番で行ったのだが、ラサロ・ガルディアーノ美術館は午後2時から無料だからと後回しにした。

 

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サン・イシドロ祭 マヨール広場の特設会場

 

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舞台の前の椅子は観客でぎっしり

 

地下鉄ソル駅近くの美術館を出ると、"プエルタ・デル・ソルと王宮周辺"という、マドリッド観光のメインルートをぶらぶらしていた。バルで食事したり、マヨール広場でサン・イシドロ祭を眺めたり、カテドラルのミサを見学しながら足を休めたりと、まことにのんびりとしていた。

 

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左がロシナンテにまたがるドン・キホーテ

 

おまけに、ソウダソウダと急に思い出して、ドン・キホーテの像を見にスペイン広場まで歩いた。ドン・キホーテって、こんなおじいさんだったっけと少しびっくり!ロシナンテは意外にも立派だ。サンチョ・パンサとロバはイメージ通りだ。木陰のベンチに座って、尚も眺めてから、ようやく腰を上げて地下鉄の駅に向かう。

 

グレゴリオマラニョンの駅から美術館に向かうと、辺りはゆったりとしたお屋敷街の雰囲気だ。ちょっとその周辺を一回りしてから、いざ美術館へ入って行くと受付の方が、3時で閉館なので無料だが後10分と言うではないか。予期せぬことに、まったく驚いてしまったが、10分では仕方がないと帰りかけた。

 

だが、ここにはボッシュを見たいから来たのであった。それで、ボッシュだけ見たいと言って展示場所を教えてもらった。よりにもよって2階(日本の3階)だ。急いで階段を上って2階に着くと、受付から連絡をしておいてくれたのか監視員の方が待っていて、私をボッシュの絵の前へと誘導してくれた。

 

正直、これは大変有り難かった。一人でウロウロ探していたら、1、2分見られたかどうか、場合によってはアウトだったかもしれない。"邸宅であった建物"とあるが、まさに邸宅の名に相応しい館内には、コレクションもたっぷりあった。広々とした庭のベンチで、休んでいる人もいた。機会があれば、再度訪れたい美術館だ。

 

ちなみに、後でガイドブックを確認すると、日曜日は午後3時までとちゃんと書いてあった。ドン・キホーテ見てる場合じゃなかったよとぼやきたい気分であったが、これは自分のミスだ。無料にウキウキする前に、開館日や開館時間をきちんと把握することが、先ずは計画の第一歩と心した。

 

帰りは、地下鉄のアベニーダ・デ・アメリカまで歩き、バスターミナルの位置など確認してきた。といっても、この旅でここを利用する予定はなく、知っておくと便利かなくらいの思いつきの行動だ。今回サラゴサからは電車を利用したが、バスだったらこのターミナルに着く。また、パンプローナビルバオサン・セバスティアン方面もここからだ。

 

その足で、地下鉄のバンコ・デ・エスパーニャまで行き、ティッセン・ボルネミッサ美術館に寄った。翌日の月曜日なら無料だが、後10分で閉館という失態に懲りて、明日はまたどんな風が吹くか分からない。それなら、料金を払ってでも行ける時に行っておこうと急遽決めたのだ。

 

目的はカラヴァッジォの絵だ。だが、これは私好みではなかった。こんなもんだよと思いながらも、"世界有数の個人コレクション"というだけあって、さすがに館内は見応え十分。

 

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レンブラント 『自画像』

 

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セザンヌ 『庭師』

 

レンブラントの『自画像』は光る。また、セザンヌが亡くなる年(プレートで判断)に描いた庭師ヴァリエの絵はとってもいい。これとほとんど同じような構図のヴァリエの絵(他の美術館所蔵)も好きだが、これはこれで味わい深い。この絵のように、館内でもらったパンフレットには紹介されていなくても、オヤッと目をひく絵があちこちにあるので気が抜けない。

 

しかし、どれほどお金持なんだと、私などにはその財力が見当もつかないが、それにしてもよく集めたものと足を棒にして見て回った。あまりにくたびれたので、敷地内のカフェで休もうかどうか迷ったが、宿までは、歩いても10分足らずなので戻ることにした。

 

こんな調子で、あっという間にマドリッドでの3日間が過ぎてしまった。が、まだまだ行ってみたい所はいっぱいあるが、全然回れていない。さすが、スペイン一の大都会だけあって見どころたっぷりだ。まったく、日帰りで近郊へ出かけなくて大正解であった。有名どころだけをエネルギッシュに回るのもいいが、人が取りこぼしたような隙間を覗く旅もいいものだ。

 

ところで、マドリッドに4日は多すぎたかなという当初の甘い予測を反省した次第なり。