照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

心ウキウキと足の向くままにあちこち歩いてみる〜マドリッド最終日

マドリッド4日目は、サン・イシドロ教会から回ることにした。前日の日曜日、マヨール広場を通りかかって初めて祭のことを知ったのだが、何とタイミング良いことに、5/12日から15日までと私の滞在と重なっていた。4日間とはずいぶん長いなと思ったがそれもそのはず、5/15日がサン・イシドロの日ということだ。というわけで、先ずはその聖人の名を冠した教会からとなった。ここには、遺骸も納められているそうだ。

 

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道路にはこんな彫刻も  皆お尻だけ触るのか光っている

 

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顔(表情)が分かるとよかったのだが


だがその前に、朝食を摂ろうとマヨール広場を取り囲む店の一つに入った。ボカディージョ(スペインのサンドイッチ)と言いつつ壁に書かれたメニューを指差すと、店員さんが中に何を挟むか聞いてくる。ハモン・セラーノをお願いすると、メニューを広げて価格を指しながら、これでOKかのように確認してくるので頷く。

 

ちなみに単体で6ユーロであった。それとカフェ・コン、レチェを頼んだが、後から思えば、朝食のセット(コーヒーにオレンジジュースとパン2種類くらい)がその半額以下なので、高いけど本当にこれで良いかなという念押しだったのかもしれない。

 

パンは思ったより大きく、ハムもたっぷりで、一個でお腹いっぱいになってしまった。実を言うと、マヨール広場という観光客が沢山集まる場所にある店なので、正直味は期待しなかった。ところが、これがとっても美味しかった。

 

腹ごしらえも済んで、いざサン・イシドロ教会へ向かうと、11時からのミサに出席する人々が続々と中に入って行く。私も後について中に入ると、テレビカメラも既にスタンバイしていた。椅子もほぼ埋まりかけていて、ミサ中は見学禁止の張り紙を見るまでもなく、さすがに信者でもない私が長居するところではないとそそくさと出てきた。

 

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上段ピンチョス 下段 オリーブ

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 上段右の方の白のがラッキョウ(小玉ねぎ?)

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美味しそうなナッツ類

 

そのまま適当に歩いていたら、サン・ミゲル市場があったので入ってみる。美味しそうな物がいっぱいだが、あいにくボカデージョを食べたばかりだ。オリーブとラッキョウ(ではなく実際は小玉ねぎだと思う)を爪楊枝で刺したピンチョスならいいかなと買ってみた。一個1ユーロとお手頃なので、別のと合わせ2個お願いする。

 

小皿に入れて、ショーケースの上に置いてくれたのをさっそく頂く。私は、ラッキョウが嫌いなのだが、スペインのラッキョウはどんな味かどうしても試してみたくなったのだ。その結果、ラッキョウそのものであった。でも美味しかった。この市場だって知らなかったよと、ガイドブックをあまり読まない私は、またもや自分の無知ぶりを残念に思う。


そのままカテドラルを横目で見ながら王宮の前まで来ると、列に並ぶ人の少なさに、ふと入ってみようかという気になる。そもそも王宮には全く興味がないのだが、気分というのは不思議だ。かつて、暇つぶしに入ったシェーンブルン宮殿(ウィーン)でウンザリしたことも蘇ってきたが、それでも並んでしまった。

 

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王宮から見たカサ・デ・カンポ方面


王宮内を見学する前に、周辺をぶらぶらしていたら、マドリッド最大の公園というカサ・デ、カンポ方面が見えた。展望台行きのロープウェイらしきものも見える。ロープウェイに乗ってみたいとは思うものの、どうしようかなと迷っていたのだが行こうと決めた。

 

王宮内に入ると、シェーンブルン宮殿のような身動きできない状態には程遠く、速度を緩めたり早めたりと自分のペースで回れたので良かった。ただ、団体でのツアーが多く、その合間を縫って空いている方へと移動しながらの見学ではあった。内部はため息がでるほど豪華だ。でも、ここで暮らしたいかといったら否だ。見るぶんにはいいが、私はやっぱり、何にもないシンプルな部屋が好きだ。

 

見学を終えてから、入場券売り場の上の階にあるカフェで一休み。足休めをした後は、地下鉄に乗ってアルグエリェスまで行く。ロープウェイ乗り場までは徒歩5分だ。この日はマドリッドの祭日になっているようで、子ども連れを中心に大変な混み具合であった。結局、ロープウェイに乗るまに1時間ほどかかった。

 

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左奥に王宮とカテドラル  ロープウェイから

 

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 ロープウェイから

バルセロナのモンジュイックの丘をイメージしていたのだが、こちらは標高も低く、市内一望というわけにはいかなかった。でも、ロープウェイから遠くを眺めているのは楽しい。それに、大混雑していても1グループ1台なので、私は一人で乗っているので気楽だ。

 

展望台に着いても、公園内の散策はせずに売店で飲み物を買って一休み。展望台といっても、ロープウェイから見る景色とさほど変わらない。往復切符を買っているので、早々に下りのロープウェイで戻る。ロープウェイ乗り場から少し下がった辺りには良く手入れされた庭園があって、バラをはじめ花々が丁度見頃だ。


地下鉄で再びソル駅まで行き、マヨール広場へ向かうと、朝とは違ってもの凄い人出だ。民族衣装の方も多い。ママの腕に抱かれた幼児も、シャツとベストというやや古風な伝統衣装が可愛い。溢れる人々で道も歩きにくいので、私は早々に退散。宿に帰ることにする。

 

もう終わっちゃったよと思うほどあっけなく過ぎた4日間。でも、とても楽しかった。それにしても、初めての街を歩くのは心がウキウキすると改めて思う。この旅に出る前、行こうかどうしようか、あれほど迷ったのが不思議なくらいだ。やはり私は、旅が好きだ。明日はメリダへ移動。どんなワクワクが待っているかな。