照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

メリダからバスでバダホスへ〜スペイン

メリダには3泊(パラドール・デ・メリダに宿泊)したが、もう1日くらい居たい気分であった。でも、この日は金曜日。バダホス経由でエルヴァス(ポルトガル)へ移動する予定にしているのだが、土日はバスの便がないのだ。

 

かといって、月曜日までの滞在ではやや長い。めぼしい所は、全部行ってしまっている。それに伴い、町の中もかなり広範囲にあちこち歩いている。もし水着でも持ってきていれば、ホテルには小さいながらプールもあるので、リゾート気分であと数日でも過ごせるだろうが。

 

ちなみに、私の部屋からはプールが見渡せるのだが、若い人たちばかりか老夫婦も、プールで気持ち良さそうに水に親しんでいる。何と奥様の方はビキニ姿だ。失礼ながらシワ具合から判断すると、結構高齢だ。でも、シワどころかスタイルさえもまったく気にする様子ではなく、自分が着たい物を着るが徹底している。

 

それは水着だけでなく、街着にしたって同じだ。観光客の皆さんのカラフルな装いに、シックだの年相応だのそんな人の目を意識したファッションなんて蹴散らせという迫力すら感じられた。

 

誰かの目に映る自分ではなく、自分が心地よいかどうかが大切なのですとハミ出したお肉もなんのその、全身で主張しているようで小気味良い。着るものに主体性が窺えるって良いなと思う。私もついふらふらとZARAなどに入って、あれこれ鏡の前で試してしまった。結局、買わなかったけれど。

 

と、余談はさておき、午前10時半のバスでバダホスへ向かった。所要時間は50分ほどだ。メリダからバダホスへは電車でも行けるが、バスに比べるとかなり便数が少ない。

 

バスから見る景色は、これまでとは打って変わって緑豊かな田園地帯だ。畑に植えられている作物が何だかは、正直見当もつかない。それでも、ブロッコリーかな、キャベツかな、などと想像を巡らしてみる。遠目には、プラムのような果樹も見える。もちろん、コウノトリの巣もあって、私の気分は上々だ。

 

やがてバダホスに近づくと、何と集合住宅が次々と現れる。予想外に大きな町だ。ガイドブックで紹介されていないと、何となく小さな町かなとイメージしてしまいがちだ。そのため、バスターミナル周辺もさぞひっそりしているだろうと思っていたところ、店なども結構あって賑やかな雰囲気だ。それもそのはず、後で調べてみたらバダホス県の県都ということだ。

 

エルヴァス行きのバスは午後13時15分なので、約2時間ほど待ち時間がある。その間、バスターミナル構内のカフェで昼食を摂ることにする。ところで、スペインとポルトガルとの間には1時間の時差があるので、到着は12時45分となる。僅か12キロしか離れていないというのに、時差があるとはちょっと不思議な感じだ。


エルヴァスへ続く