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照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

笑いっぱなしだった『最高の花婿』

社会 雑感
映画『最高の花婿』(恵比寿ガーデンシネマ)は、人種や宗教がらみのデリケートな問題をユーモラスにさらりと描いており、最初から最後まで笑いっぱなしであった。 フランス映画だからさぞ理屈っぽいだろうと躊躇していたが、これはまったく嬉しい見込み違いであった。コメディータッチかと期待して出かけたオランダ映画の『孤独のススメ』(シネマカリテ 新宿)が、重く難しいテーマであったのとは逆だ。

花嫁の父親が、どの場面でもいちいち可笑しい。三女の描いた気の滅入るような自画像を、物置にしまいに行こうとしてうっかり転び、絵に倒れ込む。破れた絵の中央から顔を出し、そのまま担いで行くのだが、絵がメチャメチャになって驚く妻に、さも清々したかのように絵の悪態を吐く。このように、妻と二人きりの時はしょっちゅう本音が飛び出すのだが、それらがすべて笑える。

最初は何かにつけぶつかり合う婿3人も、次第に打ち解け、四女の結婚式直前には、ガッチリとスクラムを組むまでになる。この3人組がまた可笑しく、随所で絵になる。

女性たちは、感受性が豊かすぎる絵描きの三女を除き、皆逞しくしっかり者揃いだ。母親は、四女の結婚相手にがっかりして寝込んでしまうものの、やがて状況を受け入れようと努力し、花婿の母親とも親しくなる。双方の母親が、それぞれの家の要として、存在感を発揮している。

双方の父親は、どちらも結婚に大反対だったが、ひょんなことから親しくなる。そして最後は、結婚パーティーでの双方の父親のスピーチで幕を閉じる。楽しくて、とっても後味が良い映画であった。

俳優さんたちも、皆良かった。監督が脚本も手がけているということだが、この監督さんがやはり一番素晴らしい。フランスで、2014年の興行成績No.1というのも頷ける。もうすぐ終了なので、お早めにぜひどうぞ。