照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

食を楽しむバンコクの休日   その1

 
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 ラープ・ランスアンは右手の路地奥 休みの日はこの看板が出ていない
 
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この路地奥に名店あり
 
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 ラープ・ムー
 
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ランスアン通りから路地へ入る時の目印
 
ラープ・ランスアンは、路地奥の行き止まりの所にあった。ラチャダムリ通りから高級ホテルが並ぶ通りへと曲がり、路地へと入ってゆくと休みであった。戸もなくテーブルの上に椅子が伏せられているだけの簡素な様子に、本当にここが店かと訝しんで立っていた。
 
誰かに聞こうにも、洗濯物が翻る軒下に、小学生位の女の子がいるだけであった。その先に道はなさそうだ。どこか、個人のお宅に迷い込んでしまったのかもしれない。帰りかけると、上半身をバスタオルで拭きながら、恰幅の良い男性が現れた。今日1月1日は休みだが、明日からは営業すると言う。
 
翌日再度出かけると、路地手前の壁に掲げられた店名の下にOpenの看板も出ていた。昨日はなかったが、これなら分りやすい。1番乗りであった。
 
昨日の男性は、奥で料理担当のようだ。細くて小柄なおじいさんが接客係か、注文を聞いたり料理を運んでくれたりする。横の方にはもう少し年入ったおじいさんが、せっせとビニールへご飯を詰めていた。テイクアウトもあるのだろうか。よく見ると、調理場には女性の姿もあった。家族総出で働いている光景を眺めていると、近所の会社から団体さんが来てテーブルに着いた。ワイワイガヤガヤなかなか賑やかだ。
 
おじいさんたちは、高い所に置かれたテレビに時々目を走らせながら仕事していたが、急に増えた客に俄然忙しくなった。私も一緒になってテレビに目を向けながら、一人で食べているよりはずっと気楽だ。
 
混雑を避けようと早く行ったが、客が自分だけというのもやや気まずい。それに誰も来ないと、本当に人気店なのかとの思いが頭をかすめる。だが心配することはなかった。私が席を立つ頃には、次々と人がやってきた。
 
食事を終えて看板がある所まで戻ると、来た時とは別の通りへ抜ける道はないかと見ていた。するともっと細い路地から出て来る人がいたので、試しに入って見た。路地をコの字に曲がって進むと通りが見えた。その辺りまでくるといくつか店も並んでおり、近くで働いている人たちで小さな店も賑わいはじめていた。
 
ランスアン通りへ出てみれば、ホテルまで歩くにはこちらからの方が多少近かった。小さな発見に、もっといろいろな道も歩いて見たいと散歩が楽しくなってくる。