照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ローマ サンタンジェロ城へ

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サンタンジェロ城全景

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三角形の山は大砲の石

バチカン美術館からサン・ピエトロ広場へ向かう。広場を取り囲んで尚、後ろが見えないほどの大行列は、サン・ピエトロ大聖堂への入場待ちの人々であった。とにかくツアー客が多い。


ガイドが掲げる棒の先には小さな旗があって、場合によっては国旗だったりする。Tシャツの色を赤に統一している団体もある。または、赤と白の大きな横縞のマフラーやオレンジのスカーフを、全員が首からかけている団体もある。これだけの人数がいれば、よそ見している内に自分の所属ツアーを見失うこともありそうだ。それとも、カトリックの総本山詣でなのだから、何か宗教的意味合いがあるのだろうか。私には分からないが、聞く勇気もない。

しばらく日陰で休んでから、サンタンジェロ城へ向かう。古い時代の石造りの建物は、ところどころ草が生えていたりして興味を引く。もともとは、ハドリアヌス帝が、自分の霊廟として建てたらしいが、後々には、さまざまな用途として使用されたようだ。ハドリアヌス帝と聞いたら、ぜひとも見てみたい思いが強まる。

10、5ユーロのチケットを買うまでが、これまた行列だ。入り口の前で待ち、チケット売り場の前でまた待ってようやく購入する。ローマでは、どこもかしこも行列だが、私のガイドブックで此処は必見の星マークすらないためか、比較的空いている。

上に登ると、丸い石が三角積みになっていて、側には大砲がある。これはどれほどの戦力になったのだろうかと、昔の悠長な戦いにしばし思いを馳せる。形こそ違うが、城の役目はどこも同じだと、これまで日本国内で訪ねたあちこちの城を思い出しながら、登ったり降りたりしていた。

お昼になったばかりだというのに、すっかり草臥れてしまった。木陰のベンチに座ってから、ガイドブックを広げて位置を確認する。美術館へ行く時に降りた駅より一つ手前の駅が近そうなので、歩き出した。ランチタイムに突入している人々を見ながら、この辺りで食べようかとの思いが頭をかすめるが、やはり今回下調べしてきた店に行こうと、地下鉄の駅に向かう。

テルミニ駅が最寄りのその店は、滞在しているホテルにも近いので都合がいい。食事の後で一旦戻って休憩するか、そのまま部屋に居てもいい。無理をせず余力を残すのが私の旅スタイルだ。