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照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

邪気がない人

今一緒に仕事をしている人は、邪気のない人だ。といっても、幼子の無邪気さとは違う。誰しも多少は、心の中に邪な思いを秘めているものだが、彼女にはそれがまったく感じられない。このような人が自分の前の席だと、余計な気を使わずに済むので心がかなり楽だ。
 
パソコンから顔を上げた時、もしくは画面に集中していても、これまで前や横の席の人の気配は常に感じてきた。だが彼女は、澄んだ雰囲気の人で、ひっそりと物静か、こちらへどのような気も跳ね返したりしない。

実際は目の前で、キーボードを打つ音もすれば、電話で話す声もはっきり聞こえる。机の上にはなるべく物を置かない主義の会社なので、顔だって充分視界に入る。それでも気にならないし、この感じは何だろうと考えていて、邪気がないからと解った。

人から強い調子の物言いをされても、怒るどころか謙虚にお詫びしてしまう。気が弱く、ただおとなしいだけなのかと思いきや、それともまた違う。意地悪な言葉も、柳に風の如く流してしまい、決して自分に溜めない。後で愚痴を言うことも無く、淡々としている。

昨今は、気の強過ぎる人にはしょっちゅうお目にかかるが、今時そんな人見たことないと言われそうだ。だが、会えば誰でもたちどころに頷くこと間違い無しだ。斯くいう私だって、気の強さではひけをとらない。だが、それ以上の人も多数いて、どれほど悩まされてきたことか。だからこそ、彼女のような人がいることに驚いた。

仕事の覚えがが少々ゆっくりでも、このような人は貴重だ。スピードがある代わり、騒々しくがさつでミスが多い人と、どちらを選ぶかと問われれば、選択に迷うことはない。仕事は、時間がかかっても必ず覚える。その上彼女は、清楚なイメージそのままの人で、裏表がないことが何より素晴らしい。彼女の良さを生かし続けられるよう、職場の雰囲気を、保っていきたいと改めて思う。