照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

スーパームーンの夜ー嫌な気持ちも疲れもしばし横に置いて

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駅からの帰り道に見たお月さま

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ベランダからのお月さま

昨日は、スーパームーン。地球と月の距離が近くなるため、月がとりわけ大きく見えるという。

駅を降りると、お月さまを探してシャッターを切る。やはり月を見ていた方がいらして、本当にきれいですねと声をかけてくれた。美しい月を、見知らぬ方と共感を持って眺める僅かな時に、1日の忙しさが、ぐんと和らぐ。昼間の嫌なニュースも、一瞬遠のく。

職場で、昼食を摂りながらNHKのニュースに耳を傾ければ、心が憂鬱になるような話ばかりが流れてきた。中でも、駅構内で、ベビーカーに乗っている1歳の子供の頭を、邪魔だからといきなり殴った60代の男が逮捕されたというニュースには、気が沈む。

その話は、日曜日にツイッターで知った。だが、被害者、加害者双方に対する書き込みに、事件以上に、背筋がゾクッとする思いがした。加害者には、もちろん憤りしか感じられないし、同情の余地は全くない。しかし、被害者に同情するあまりの、加害者に対する酷い書き込みにも、言葉だけなら何を言ってもいいわけではないだろうと暗澹とした。

被害者に対する、電車など乗らずに、タクシーで移動すればいいというような、これまたピントはずれな書き込みにもうんざりした。みんな、頭の中だけで、言葉をどんどん膨らましているという感じだ。お金持ちか否かに関わらず、誰でも安心して、バスや電車を利用できるのが当たり前の社会であってほしい。

国が少子化に頭を悩ます一方で、個人がこのように不寛容では、どんな対策を立てようと、うまくいくわけがない。自宅側に、保育園ができるのを阻止しようとする人たちも、子どもを邪魔な存在としてしか認識しない、この事件の加害者と同じだ。もう少しゆとりある気持ちで、人に対せないものかと思う。本当に殺伐とした世の中だ。

でも、きれいなお月さまのおかげで、さまざまな負の思いも、仕事の疲れも、しばし横へ置くことができた。そして、誰もが、あと少し、心に余裕を持てたり、人への想像力を働かせられたりしたらいいのにと、心底願う。

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ベランダからのお月さま