ヴェネツィア日帰り旅 その2
ドゥカーレ宮と向こうに見える大鐘楼
リド島へ向かう船上から
激混みのヴァポレットであったが、サンマルコ広場前で殆どの人が下船する。ここまで来る間に船上から見たヴェネツィア本島内は、どこもかしこも人で溢れていた。道行く人々の様は、日本の初詣を思わせる。皆が下船した後、眺めの良い席が確保できたので、そのまま『ベニスに死す』の舞台となったリド島まで行く事にした。
本島の外れの方には、木々が生い茂る公園もあって意外に思った。緑を見るとホッとする。リド島へ上陸すると、もっと緑豊かでバスも車も走っている。個人宅なのか、敷地も広く立派な家々が立ち並んでいる。本島とは赴きが異なる。
撮影が行われたホテルまで行く時間はないので、適当に一回りしてジェラート屋さんへも寄ってみた。普段縁がないジェラートであるが、今日は2度目だ。価格も本島より心持ち安い。観光客も多いが、道が広くゆったり感がある。再度訪れる機会があるなら、リド島に滞在して海を眺めながらビールでも飲むのもいいかなと思った。
心残りではあるが、再びヴァポレットにに乗ってサンマルコ広場前まで行く。船から降りて人波について行くと、観光名所には入場待ちの長い列があった。早くこの人混みから解放されたいと、駅を目指す事にした。
私には、 シーズン真っ盛りのヴェネツィアは向いていないかもしれないと思った。駅方面を示す矢印に従うまでもなく、双方向共に狭い路地に人が数珠繋がりにぎっしりだ。リアルト橋を渡り、カ・ドーロを過ぎ、ひたすら歩く。物乞いする人も多く、こちらが小銭を取り出すのを目にした途端、いかに自分が困っているかのアピールが始まる。数回で小銭が尽きたので、目を合わせないようにしながら歩く。
サンマルコ広場から約30分程で、サンタ・ルチア駅に到着だ。人波から外れると迷うと解っていながら、閃きに従って川沿いに足を向けてしまった。辺りを歩く人もいなくなった所で変に思い、食品の配達人を見つけて駅の方向を訪ね軌道修正をする。近道どころかむしろ遠回りしただけであった。頼むよ勘ピューターと激励したくなるが、それが何より間違いの元だ。
駅へ着いてみれば、出発までまだだいぶ余裕があった。トイレは有料であるが、あいにく小銭はなかった。ちょっと施し過ぎたかと悔やむが、仕方ないので水を買ってお釣りを貰う。5時半頃出発のユーロスターイタリアでミラノへ戻る。