照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

恐怖のかずら橋 四国の旅 その1

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かずら橋  エメラルドグリーンの川
 
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高知  藤のやさんにて カツオを藁で炙って調理中
 
昨年の今頃、徳島から高知、香川、再び徳島と回った。高速道路が整備されているので、どこの県へも約2時間だ。
 
嬉しい事に、四国内の高速道路3日間乗り放題で4千円弱と期間限定のお得なサービスがあった。インターネット経由で、予めETCカードを登録して申し込むだけと手続きも簡単だ。但し、それを聞いた私は人の計画に便乗しただけだ。ゴールド免許保持者と自慢しても運転は出来ない。
 
大歩危小歩危を訪れた折、遊覧船に乗った。澄んだ川は所々渦が巻いていた。始まったばかりの紅葉を見ようと上方に目をやれば、山肌にへばりつくように左右に線路と道路がある。あのような所を走ってきたのかと、少し怖くなる。
 
朝の空気は冷たいが、いい天気に、石の上では川鵜が羽を休めていた。のどかだ。それとも澄んだ川で、漁の機会を狙っているのか。
 
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船を下りた後は、かずら橋だ。チケットを買う際、「入場料は返金しません」の張り紙に、そんな人もいるんだと気楽に考えていた。
 
だが渡ろうと足を踏み出した途端、返金は求めないから戻らせてもらいたいと心底思った。こんな怖い橋を体験したい思いと恐怖のせめぎ合いの結果、かずらで編んだ手すりにしがみつきながら何とか渡りきった。下の方に見えるエメラルドグリーンの川が、余計怖さを誘う。再度渡る事のない橋にさよならを告げて、高知へ向かう。
 
高知ではおきまりの桂浜見物だ。ホテルへ荷物を預けてから、ひろめ市場をちょっと覗きカツオを頂く。近いので高知城へも登ってみる。風格のある城だ。少しホテルで休んでから、藤のやさんへ向かう。予約してないので、5時の店開け直ぐに行く。大正解であった。予約で一杯のため、後から来た客は皆断わられていた。
 
藁で炙ったカツオを塩で頂くタタキは、鰹が苦手だった私の認識を変えた。ついお代わりを頼んだ。ひろめ市場も美味しかったが、こちらはまた格別である。更に、注文したどれもが初めての味わいであった。
 
素材が同じでも、扱い方次第では全く別物になってしまうと感激しながら頂いた。ご主人から伺う藁や鰹、ニシ貝やゴマ鯖の話も興味深い。扱う生命を、どのようにしたらより良く活かす事ができるかに心を砕く姿勢が、食事をより豊かしてくれる。
 
初めて訪れる土地でいい店に出会うと、その街に愛着が湧く。その店の味を求めて再び訪れたくなる。このような味との出会いに乾杯、素晴らしき旅にも乾杯!
その2へ続く