照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

神話への扉?ルドンの空

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ベランダに出ると、朝焼けの空。昨年、9月初旬に撮った写真だ。私はこの色をルドンの空と名付けている。まるで神話の世界への扉にも思えて、今にもペガサスが、その姿を現してくれるような気がする。

先日、ある方のブログに同じような空の写真を見つけ、同好の士!と嬉しくなった。何しろその数日前、同じブログで、記事のタイトルにルドンの名を見つけ、気分が高揚していたので尚更だ。私もつい、1年前の写真を引っ張りだしてきた。あちらは夕方の空だが、私よりずっと上手に、その色を捕らえていらっしゃる。

ちなみにそのブログはこちらhttp://k11mico4.hatenablog.com/entry/20150718/1437215468

私は、オディロン・ルドンの絵が大好きだ。訪れた国の美術館で、思いがけずもルドンの絵に出会えた時の喜び。ロンドンでは、展覧会のあることを地下鉄のポスターで偶然知り、すぐさま駆けつけた。せっかくの機会と、帰国の日の朝も出かけた。

一番思い出深いのは、ヴィンタートゥール(スイス)の個人収集家のお宅を美術館にしたヴィラ フローラだ。

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このパンフレットにあるゴッホの絵に惹かれて訪れたのだが、まさかのルドンが、小品ながら5点もあって、感激ひとしおであった。もし、ルドンの絵がお好きな方は、ぜひ行かれることをお勧めしたい。ここはチューリヒから電車で30分ほどの所にあり、美術館の町として知られている。こじんまりしたいい街だ。

アムステルダムゴッホ美術館で出会ったルドンも忘れがたい。あらここにも!という思いであった。でも一番好きな絵は、オルセー美術館にある、「長首花瓶の野の花」だ。花瓶や背景に、あのルドンの空が、ほんの少しだけ映っているようにも見える。だが、これだけではなく、どの絵にもあの空の色は含まれている。だからいつだって、朝焼けの空に出会うたび、私はしばしルドンの世界に揺蕩う。


ルドンについての以前のブログはこちら