照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

パリでのテロ事件を考えるきっかけに

今年初め、日本人がISの標的にされた時は、イスラムに関して、及びISが台頭してきた背景などについて、数冊の本を読んでみたが、結局その時だけで、引き続き考えることもなく今日まで来てしまった。

今回、土曜早朝に、ツイッターでパリでのテロ事件を知って以来、今度こそ本気で、我が事として考えなければならないと思った。

それは、今回の痛ましい事件を、遠い国の出来事として考察するというのではなく、EU域内に押し寄せている難民問題から、つい先頃国会を賑わした安保関連法案等も絡めて、自分のすぐ側の問題として捉えるということだ。

よく知らないことや関心の薄いことは、人の意見に接するたび、右往左往してしまいがちでもあった。だが、もはやそのような思考の先送りはできないと気づいた。例え、人前で声高に言うことがなくても、いつでも、自分なりの意見は必要だ。

それにしても、哀悼を表すために、フランス国旗を、自分のプロフィール写真に配することについてのさまざまな強い調子の意見にはややたじろぐ。私は、フェイスブックをやっていないので、実態は目にしていない。
 
でもあの日は、パリに知人の一人もいない私だって心がざわざわした。それに、何度か訪れたことのある土地は、やはり気になる。また、ブログでしか存じ上げない方でも、その地に暮らす人へは思いが飛ぶ。
 
今年、国際特急列車タリスの車内で、爆発犯らしき人物が未然につかまった時だって、非常に驚いた。一度縁があるだけの場所や乗り物でも、近しく感じ、気にかかるものだ。
 
そう思うと、誰が、いつどこで、事件に遭遇するかは分らない。今回だって、皆それぞれに、思いもあっただろう。自分も、一助となる何かをしたいという思いが、雰囲気に乗って烏合の衆となってしまったとしても、そこが考えるきっかけになればいいと思う。
 
もはや猶予なく、常に自分の考えや判断が問われる時代になっている気がする。少なくとも、遠く離れた国にいて良かった、で終わらせることだけはしたくない。そして、情報は自分から取りにゆき、自国のメディアの言うことだけを鵜呑みにすることなく、考え続けていきたいと思う。
 
*参考までに
以前読んだ本を引っ張り出してみたが、この本は、非常に分りやすかった。 (『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』内藤正典集英社新書)


ちなみにこれは、今年2月、イスラムをテーマとした名古屋の読書会へ参加した時の私のブログ。