照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

音楽を聴きながらゆったりと過ごしたい季節

肌寒くどんよりした日は、心も沈みがちになって、太陽のありがたみを感じる季節になったなと思う。

これまであまり気にすることもなかったけれど、曇り空が少し続くと、あの空から逃げ出したくなったという、デンマークで暮らした人のつぶやきが頭に浮かぶ。
 
ヨーロッパ、殊に北欧で、長く暗い冬を過ごしている方々が光へ抱く思いには、なかなか実感が湧かないでいたが、曇天や雨模様が続くと、ほんの少し分った気にもなる。
 
そういえば、4月末のウイーンで、陽射しを避けようと日傘を差して歩いていたら、丁度昼食時に外へ出てきたサラリーマンたちから、思いっきり笑われたことがあった。

皆、光を惜しむように、仕事の後でも、夕方の公園で日光浴をしているのを思えば、陽を除ける方が変に見えるのも無理はないかもしれない。
 
実際、気候は、人の心ばかりか活動にも、かなり影響を及ぼすという。高気圧の時、人が自然に身体を動かしたくなるのも、低気圧の時、おとなしくしていたくなるのも、理に適っているようだ。
 
暑いの寒いのと、自分の都合で太陽を邪険にしたり有り難がったりと、まこと人は天邪鬼だ。でも、どのような天気にも感謝してばかりでは、話題に事欠いてしまうかもしれない。お天気には、悪口にもあえて目をつぶって頂いたほうが、人の会話はスムーズにゆく。
 
お湿りがあってよかったとか、この雨では晴れ着が濡れて困るとか、お天気は、何といってもダントツで、世間話のきっかけを提供してくれる。
 
但し私は、雨音は結構好きだ。雪の日ほど音を吸収してくれるわけではないが、往来も静かで心が落ち着く。そんな日は音楽に耳を傾け、ゆったりした時間を過ごしていたいと思う。

でも、今日は木曜日、雨音ばかりに気を取られているわけにもいかない。代わりに、キャット・スティーヴィンスのMorning has broken(邦題:雨にぬれた朝)を頭の中に響かせながら、自分に勢いをつけて出かけよう。さあ、仕事だ。