照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

バルタン星人みたいな鶏ドンタオって?

昨日、NHKFMのお昼の番組で、ゲストの遠藤秀紀さん(東京大学総合研究博物館教授)が鶏の話をされていた。鶏が家禽となる前、原種はどのような鳥だったのかなんて、正直、これまで頭をかすめたことさえなかった。だが、原種の可能性が高いとされている赤色野鶏(セキショクヤケイ)についての説明に、どんな鳥だろうと興味をそそられ検索してみた。

その威厳ある姿は、伊藤若冲の鶏の図を彷彿とさせる。花のごとき真っ赤なトサカから、黒い尾羽までの間がとりどりに彩られ、まるで留袖を着た人のよう。といっても、他の鳥の例にもれず、派手な色合いの羽を持つのはオスで、メスは地味ということだ。

ちなみに、鶏が日本に伝わったのは弥生時代とみられているらしい。そんな昔から飼育されていたのかと驚いたが、当時は食用というより、刻を告げることが主になっていたと知り、更にエッという思いであった。数年前ルアンパバーン(ラオス)で、夜明けのだいぶ前から鳴き始めた鶏の声に、うるさいなと閉口したことが思い出され、昔の人は平気だったのだろうかと考えてしまった。

ところで、鶏についてのあれこれに聞き入っていると、今度はバルタン星人みたいな鶏ときた。なんだなんだそれはと、再び検索してみた。ベトナムの鶏で、名前はドンタオという。画像を見ると、足がブーツを履いたみたいに太く、体も厳つい。あたかもパトロールをしているかのように、辺りを睥睨している姿は、なかなかユーモラスだ。

ずっと前、タチヨタカの作り物みたいな姿にもびっくりしたが、このドンタオといい、まだまだ私の知らないユニークな鳥が、世界にはいっぱいいるに違いない。今年は酉年なので、それらの鳥たちを知る機会も増えそうで楽しみだ。