照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

本との出会い 時には自分のアンテナから逸れて

いつもの自分の好みから外れて、時にはジャンルの異なる本を開いてみるのもいい。子供たちが転がしておいた本を読んだことがきっかけになったり、または面白いからと勧められたり、それまで自分のアンテナに届かなかった作家に出会うことがある。

 

そして、今までどうして知らなかったのだろうと悔やまれるほど、その面白さに引き込まれたりもする。これまで旅のお供として重宝した本も、大抵は子供たちから教えてもらった。

 
自分が本好きだったので、子供たちが幼稚園位までは、よく読み聞かせをしていた。だが、さほど本好きにはならず、当時流行っていたテレビゲームやサッカー、マンガなどに夢中であった。そのため、社会に出てから、本を読むようになっていたことにむしろ驚いた。
 
その子供たちも、長じて後は離れて暮らしているにも関わらず、本の好みが重なっていたりするから面白い。その上、私には好都合なことに、同じ作家の別の本を持っていたりするので、それら全てを借りて読むことができる。
 
例えば、司馬遼太郎の『坂の上の雲』全8巻は長男から、『世に棲む日々』全4巻は次男からという具合だ。どちらも読みたかったのですぐさま借りた。
 
私が、『街道をゆく』シリーズを熱心に読んでいた頃には見向きもしなかったのに、いつ興味を持ったのだろうと思う。また、偶然にどちらも伊坂幸太郎ファンで、同じ本を持っていたりするのも面白い。
 
こうして本を借りたり話を聞いたりしているうちに、子供たちから教わることや刺激を受けることが多くなってゆく。親子の立場は、こうして逆転してゆくのかもしれない。
 
ところで、機内での私は、基本寝て過ごす派だが、乗り継ぎ併せて14、5時間のフライト、プラス待ち時間となると、本でも読みたくなってくる。時間があるのだからこの際とばかりに、読み難い本など持ち込んでも、実際のところなかなか捗らない。やはり、どんどん読み飛ばせる本が、旅のお供には最適だ。
 
次男がたまたま貸してくれた、ジェームズ・ロリンズのシグマフォースシリーズは、ハラハラドキドキの合間に、歴史や遺跡、時には科学の話など挟まれており面白く夢中になれる一冊だ。(但し、いずれも上下巻あり)
 
私の場合、次男が読み終えたのを回してくれてもすぐには読まず、海外へ出かけるまで取って置く。旅の合間に読むと、丁度いい時間潰しになる。また、それまで訪ねた場所のおさらいにもなって懐かしい。
 
じっくり考えながら読み進める本も好きだが、純粋にストーリーの展開を楽しむ本も捨てがたい。時にはビジネス書と、子供たちから教わって初めて、さまざまなジャンルの本ともご縁ができた。食わず嫌いだったり、知らなかったことに、これからもチャレンジしてみよう。世界が広がる。それは本以外でも同じだ。